レスがあっても返信しないつもりとのことですが、先の私の書き込みに言及されていたので一応少し補足を。そちらから特に何か無ければ、返信は不要です。
まあ、ヴァイオレット・エヴァーガーデンは、質が高く一部のマニアに高く評価されながら一般のファンには届きにくい作品の典型という感じですね。その点、スレ主様が最初の書き込みであげていらっしゃった少数の優れた実写映画と位置付けは近そうです。
しかしながら、
>オタクコンテンツが一般に受け入れられるとは、正確には一般人がオタクからオタクコンテンツを取り上げて、自分達の嗜好に合うように変質させ、非オタクコンテンツとして大衆文化に取り込むことです。
これは少し異論があります。
そもそもオタク・非オタク・大衆文化という括りにも少し無理があると思いますが、それを言い出すと議論が複雑になるので一応この言葉で続けますね。
例えばエヴァンゲリオンは、かなりオタクコンテンツ的な内容の作品だと思います。今年かなりのヒットを達成しましたが、あの作品が「一般に受け入れられた」のかどうかは微妙です。あまりアニメに興味が無く、これまでのエヴァもよく知らずに評判に惹かれて観たとしたら、「不可解」と思った人も割といるんじゃないかと想像しています。しかし、ヒットはしたし、有名にもなりました。「なんだかわからないけど凄い物らしい」というイメージを一般の世間に拡散することには成功したと思います。
私が先の書き込みで「興味の無い人にも届くパワー」と書いたのは、こういうことを指します。言葉を変えれば「社会現象化」と言ってもよいし、「キラーコンテンツを生み出した」とも言えます。
作り手の個性と一般向けする要素が乖離しているときに、作り手のとるべき道は「我が道を行く・わかる人だけついて来ればよい」or「一般向けに迎合する」だけではないと思うんですよ。個性を通しながら一般に受ける要素を盛り込むこともできるし、あるジャンルに勢いがある時に、作者・業界・批評家・ファンが相乗効果を起こしながら共に走り、一時的にせよ社会に対して強いオーラを発散するような事象が見られることがあります。
日本のアニメの現状にはそういうオーラの片鱗が感じられるし、実写映画にはそれが感じられないということです。
*むしろ日本の特徴として、一時きわめて個性的なオーラを放ちながら、しだいにガラパゴス化していくというパターンが割と見られる気がします。ジャンルの衰退要因として警戒すべきは、日本の場合は一般化よりもガラパゴス化かもしれないとも思ったりします。