結論から言いましょう。
ナシだと思います。
昔、俺が好きな作家が言っていました『オタク文化とは、エロ・グロ・ナンセンスの再来である』と。
ですが、エロもグロもナンセンスも、詰め込むだけが全てではありません。
中々面倒くさい表現ですが、『ナンセンスにはナンセンスとしてのセンスが必要』であると思います。
その上で。
バッキ―さんのアイデアであれば、よほど懐の広い界隈の同人ゲー(ほぼ100でR18)か、ギャグとして描く(バカテス並みに突き抜ければ)ならワンチャンあり得るかも、ぐらいでしょうか。
何かって言うとね。
純愛好きはハーレムが受け付けない。
BL・百合趣味の人は、『BLに混ざる女』『百合に挟まる男』が嫌い。
ハーレム需要は、男女問わずあるものの、根本的には『女にモテモテの俺』や『イケメンに囲まれる私』を妄想したいだけであって、その中に他の要素が入る必要が無い。
ハーレム需要の第二パターンとして『収集癖』と言うのもありますが、こっちはもっと厄介。男にしろ女にしろ、収集メインで考えてるのであれば『異物』たるものが入り込むのは嫌われます。
で、最後にギャグ需要。
これだけは、有り得るとは思うんですが。
っていうより、少なくとも俺には『ギャグ以外の需要』が見えません。ハードエロもあるっちゃありますが、ハードエロの作品の相談ではないと思うので割愛。
『ぶっ飛んだギャグ』っていうのは、基本的に『冷静な視点から観察』しないと意味がありません。
具体的に言えば、『視点人物がツッコミもこなせる』必要があります。シモ的な意味ではないツッコミですよ。
よって、作中一番の暴走特急が主人公であるのが大問題……。な、訳ではないんです。『常人ぶる主人公と、それを傍からツッコむ親友ポジ』みたいな展開で進んで行く作品もありますからね。
ただ一方で、半ば『ダブル主人公』に近い形にはなるので、難易度そのものはかなり高いでしょう。
ただし、『ラブコメとして男女混合のハーレムを作る』『男女問わず、主人公から手を出していくスタイル』『しかも主人公が暴走系』となると、主人公以外の奴がツッコミ役に回らざるを得ない訳です。
で、そこで問題なのが『男だろうが女だろうが口説く』主人公である以上、『あ、このツッコミ役もいずれ落ちるんだろうなぁ……』と読者側がなっちまうことです。
或いは、『ツッコミ役がすでに落ちた状態』から始まる場合、『コイツこんなに冷静なこと言ってるんだけど、落ちてるんだよなぁ』とはなるでしょう。逆に、ちゃんとイチャイチャを展開出来れば、むしろそれはネタとして成立するんですが、作者側の労力的に『じゃあもう、ツッコミちゃん/君をメインに据えちゃえばええやん!』となると思います。
以上、所感を述べさせていただきました。