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タイトル:チャンバラシーンの書き方の返信 投稿者: 大野知人

 サタンさんの言う通り、『筋書き通りに書けばいいと思うよ』と言うのが概ねのところなのですが。

 個人的に、最近のラ研界隈の人を見てて、『こういうアクションシーン良くないなぁ』と思うのがあるので、一つだけ。

 それは、
『アクションをしているキャラクターの動きを、順番通りに、細かく書かない事』
 
 何言ってんだと思われるかもしれませんが、キャラクターの動きを順番通りに書いてしまうと、漫画のコマ送りみたいに――或いは一枚絵を『バン、バン、バン』と並べたようになってしまって、『文章』として見ると流れがわかりにくくなったり、緩慢になってしまいます。

 そこで、あえて具体性や厳密な順序を無視して、客観・遠景的に見て『こういう風な動きに見える』とか、動きの一連の流れを指して描写する方が、文章として良いんじゃないかな、と思います。

 勿論、一枚絵的に、つまり一つの動きやポージングを細かく書き込むのも、見せ場であれば必要ではあるのですが、全文通してそういうやり方だと、読みにくいでしょう。

例:
①コマ送り。
 Aはスッと立ち上がると、刀を抜き、Bを睨みつける。Bは飄々とした柔らかな笑みのまま、腰を落として柄に手を――居合の構えを取った。
「ィえァアアアアア!」
 雄叫びと共に切りかかるA。構えは大上段。フェイント抜きの実直な剣を振り下ろしていく。
 相対するB、なおも飄々と顔を取り繕っていたが、内心かなり焦っていた。
 その焦りが、居合を一瞬遅らせる。
キィィイイイイン!
 本来、Aの剣よりも早く彼を切り裂くはずだったBの刀、少し出遅れたそれがAの刀と激突し、耳障りな音を立てた。
 一瞬の後、剣を逸らし、Bは一歩引くようにしてAをいなした。

②客観
 達人同士の戦いにあっては、彼らは流派を問わない。それぞれに構え、Aは眉間にしわを寄せ、Bは飄々と構えて立つ。
「ィえァアアアアア!」
 裂帛の気合とおもに、Aは刀を振り下ろした。居合に構えていたBは、ほんの一瞬、その気合に慄いて動きが遅れる。次の瞬間。
キィィイイイイン!
 振り下ろしと斬り上げの鍔迫り合い。大きな金属音と共にぶつかり合い、Bは一歩引くようにして剣をいなした。

 まあ、これだとわかりづらいかもしれませんが。これ以上長いアクションをコマ送りでやろうとすると、物の動きがややこしくなって読みづらくなります。
 一方で、凄く短い文章を客観で描くと、何が起こっているのか分かりづらくなったりします。

 そこら辺の調整の妙は場数を踏むしかないですが、今後の健闘を祈ります。

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