結論から先に言うと、
1)あなた自身が韓国に対して偏見がないのなら、雰囲気を出すために名称を混在させるくらいは問題ないと思います。
2)もう少し踏み込んで韓国文化まで取り入れていくのであれば、両国関係がこじれている現状を考えると慎重な配慮は必要かもしれません。
となります。
文化まである程度本気で扱うとなると、どうしても作者の考えが見え隠れしてきますから。そこは、ちょっと気をつけた方がよいかもしれません。
まあ、個人的な意見と断って言うなら、2の場合でも作者自身に偏見がなければ問題ないと思いますけどね。しかし現状、偏見と誤解は日本側と韓国側の双方にあるので、配慮は両方に対してしなければならないので面倒と言えば面倒です。
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歴史を詳しく知っている人なら、韓国に対する偏見ってあまり持たないものですよ。この場合の歴史というのは近・現代史(明治時代以降)だけではなく、2000年あまり前からの歴史です。
弥生時代、古墳時代、奈良・平安時代、中世、江戸時代と、日本は中国・朝鮮と長く交流してきました。江戸時代までの朝鮮半島との関係は概ね良好で、時々険悪になった時期もあるという感じです。そして、東アジアには一貫して、中国という巨大な存在があったんですよ。
ここでアジア史を詳述する余裕はないので、誤解を恐れずにざっくり例えてみます。
江戸時代までの中国・朝鮮・日本は、中国=ジャイアン、朝鮮=スネ夫、日本=のび太。大雑把にはそういう関係性でした。
ところが19世紀・20世紀には中国=ジャイアンが衰えてしまい、19世紀にはヨーロッパ=ジャイアン、20世紀にはアメリカ=ジャイアンが台頭するんですね。
でね(笑
この時期には、なんと日本がスネ夫になってしまうんですよ。
19世紀:ヨーロッパ=ジャイアン、日本=スネ夫
20世紀:アメリカ=ジャイアン、日本=スネ夫
そして、旧ジャイアン国だった中国も、虎視眈々と復権を狙っています。で、韓国はずっとスネ夫だった国で、日本は昔はのび太だったのに急にスネ夫になってしまった国です。
日本VS韓国はスネ夫VSスネ夫。しかも、この二人のスネ夫は歴史的に浮沈の時期がずれています。韓国から見た日本は、「昔はのび太だったのに、欧米台頭の流れに乗っていつの間にかスネ夫になってしまったやつ」に見えるわけです。
こういう関係ですから、この両国関係はこじれるのも当然と思われます。なんせ、どっちもスネ夫ですから(笑
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国と国の関係、人間と人間の関係なんて、そんなものです。
険悪に争っていても、いきさつまで遡って調べていくと「こりゃあ、どっちが悪いという問題じゃないなあ」というところに大抵は行き着きます。
韓国が悪いとか日本が悪いとかいうことではなく、人間というのがそういう生き物なのだと思われます。