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タイトル:読者の足がかりを作る 投稿者: あまくさ

>リアリティがなくても面白い作品を目指すには何を心がけたらいいでしょうか?

この質問に回答していなかったので、追記します。

結論から先に書くと、読者が作品世界に入りやすい足がかりを、どこかに最低1箇所は作ることだと思います。以下、説明します。

例えばピカソとダリの絵画を比べてみてください。

ピカソの絵は、はっきり言って難解です。名作という評価が定着しているので賞賛する人は多いですが、内心では「とは言え、よくわからん。なんじゃこれ?」と思っている人も多いのではないでしょうか? 正直私もゲルニカなど何となく迫力は感じますが、ピカソ作品の真価を本当に理解できているのかどうか自信はありません。

ダリの絵は、写真のようなリアルな表現と、現実には有り得ない奇妙なモチーフを同居させる手法です。その落差に新鮮な驚きを感じたり、面白がったりすればよく、鑑賞の仕方が分かりやすいのです。

この場合、ダリの絵の写真的な表現が、鑑賞者を作品世界に導く入り口、足がかりとして機能していると言えます。

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写真的表現と書きましたが、受け手の足がかりを作るのは、写実性という意味でのリアリティだけではありません。

エンタメ系では、例えば私はガルパンが好きなんですね。あれも、かなり荒唐無稽です。普通の女子高校生が部活気分で戦車を乗り回しているという設定に、リアリティがあると言う人はいないでしょ?
ただあの作品は、そういう思い切った設定以外は王道パターンのてんこ盛りです。主要キャラ全員がもれなく美少女なのは、二次元美少女ファンには心地よいと思います。キャラデザインや日常生活の描写は『けいおん!』とそんなに違いません。
またストーリーは、スポ根少年漫画の筋立てを臆面も無く踏襲しています。主人公は名門校の落ちこぼれ。しかし落ちこぼれたことには理由があり、実は抜群の能力を秘めた主人公が個性豊かな弱小校をリードしてトーナメントを勝ち上がります。そして、決勝戦で自分をはじき出した名門校と対決するという流れ。まさに王道そのものです。

ガルパンに設定されている足がかりは、ターゲット視聴者にとって(リアリティはなくても)安心して観られるお約束的要素の数々。それによって心地よさを提供している点です。

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もう1作、荒唐無稽でもヒットした作品をあげるなら、私的には銀魂も思い浮かびます。
あれは全編、ネタとパロディーで構成されている感じで、どこに足がかりがあるのか分析するのが難しいです。
そういう作品もありますが、あれはよほど作者のセンスが高くないと成立しないのではないかと。そこに得体の知れない求心力が生まれていて、それが足がかりになっていると言えます。すなわち、なかなか余人に真似のできるワザではないと思われます。

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