丁寧な補足説明を頂きまして恐縮です。
おまけはおまけということはスレ主さんのご構想から出たことで仰る通りですし、牢屋慣れしている理由は作中劇≪新人女官伝≫に関わるものだというわけですね。そこは幽霊皇后と関わるポイントになるということになってきそうです。
ただ、申し上げたいポイントを言葉を変えて申せば≪新人女官伝≫の具体的内容を読者に開示するのを、どの時点で行うかということになります。
御作では、主人公に対するドラマ的な障壁は幽霊皇后でありそうです。投獄するのは忠元らですが、主人公にも隠すミッションは幽霊皇后の処置ですね。主人公の勝利条件は獄を出ることではなく、その条件である幽霊皇后をいかにするか。
これは幽霊皇后と主人公(銀鈴)の関係性いかんで決まって来る問題です。そして幽霊皇后は≪新人女官伝≫における過去の悲劇の人物であり、その劇中劇で詳細が語られている。となりますと、御作で≪新人女官伝≫の詳細を語れば、読者には主人公が幽霊皇后をどうすべきか、いかにするかが見えて来ることになります。
もし獄中で、主人公と幽霊皇后との間だけではなく、読者にも≪新人女官伝≫の内容を明らかにしますと、主人公と幽霊皇后の為すべきことはほぼ決まり、後は一本道になりやすい。ストーリーは進むが、もうドラマは発生しないということになります。
しかし、御作のストーリー進行からしますと、主人公と幽霊皇后の間では獄中で≪新人女官伝≫の内容が共有されなければならないわけですね。そうでないと獄を出るために協力しないはずですから。しかし2人は情報を共有して、意思決定も行って、協力しての動きを見せる。ここ自体は一本道です(その一本道に障害物が置かれるにせよ)。
となると、読者に対してどうするか、になります。主人公が何をどうして為すかは読者にも知らせておいて、その場その場のノリや、何をすればいいか分かってるけど、なかなかうまく行かないドタバタ等を面白く描くということなら、獄中で読者にも≪新人女官伝≫をはっきり知らせておけばいいでしょう。
そうではなく、主人公の行動が一連のドラマに仕立てたいとします。それなら、例えば最後のオチとして、主人公(たち)の意図を演劇内容で示し、そこまでの行動の意味が一気に明らかになるようにすれば、インパクトを生じさせることが可能です。
どちらでもいいし、それ以外のやり方もあろうと思いますが、せっかく劇中劇を詳しく設定し、作中でも積極的に用いたいとお考えのようですので、≪新人女官伝≫の内容を読者に示すタイミングは遅めにしてはどうかと思った次第です。その場合、おまけはおまけとは限らないことになります。