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タイトル:現在、今年出す新人賞を書いていますが、悩みや聞きたいことがあります。の返信の返信の返信 投稿者: サタン

>新人賞に出す予定ですので、あらすじ本編ネット投降や掲載は難しくなっております。
投稿前に消せばいいんで、別に難しくはない。けど私の回答の「読まなきゃわからん」の意図としては、多くの作品に該当する汎用的回答は無理でスレ主さんの作品のみに通用する限定的な回答でしか答えられない質問なので、読んでない以上は正確なことは言えない、というだけの事です。どっかにUPしろや的な意味じゃないッス。

でもワンピに例えられた感じを見る限り、かなり難しいだろうなと思います。
というのも、スレ主さんはご自身で素人と名乗っていますが、漫画に親しみ文庫の小説を日頃あまり読まないタイプの初心者さんによくある構成の仕方をしてると感じたからです。
スレ主さんは「漫画の長編みたいなイメージしか浮かばない」と書かれているけど、ほぼ漫画しか読んでない初心者さんはだいたい同じことを言ったりします。
それで出来れば別に問題ないことですが、
このタイプの初心者さんは、その「漫画の長編」も雑誌に載る前には「読み切り」という形で完結した短編ストーリーを作って、それが連載シリーズになるかどうか審査を受ける、という事実をすっかり忘れている。
極端に言えば(あくまで極端な例え話ね)、ラノベ新人賞に出す作品は「連載作品の冒頭」じゃなくて「完結した読み切り作品」なので、連載を前提に作ってる作品はほぼ100%落ちると言ってもいいと思います。作品の主旨を間違えてるから。

>連載作品の1巻目から最終巻をまとめたものにしないといけないということでしょうか。
>新人賞に出す1巻は、連載作品の1巻目から最終巻をまとめたものにしないといけないということでしょうか。そうなると1巻目の最後戦闘シーンに、最終巻予定のラスボスを出して倒すという構成になると思います。

基本的にはその通りです。
勇者が魔王を倒す話を想定しているのなら、魔王を倒すまで書かないと「完結作品」にはならない。
だから、こういう長期作品を想定している場合、それは「新人賞向けではない作品」ってことになる。
新人賞向けに手直しする場合は想定から変える。つまり「魔王を倒す話」から「魔物の大群から故郷を守り切る話」とかにする。こうすりゃ「故郷を守りきった」で終われるので。で、万一受賞したなら、2巻目で「魔王が魔物を操ってた、この魔王を倒す旅に出る勇者」という話にすりゃいい。
でもまあ、ぶっちゃけこういう手を使う人もまた初心者から中級者くらいだから、「魔王を匂わす伏線」とか作っちゃってそういう部分が続編を想定させてしまい、だいたい落とされる。

潔いのはSAOの作者で、人気作品の「ソードアートオンライン」はWeb作品って話だけど、本当は新人賞用の応募作品だったと作者は語っています。
ただ書いてるうちに これは新人賞の規定に収まらない と判断して、Web連載に切り替えた。
で。
新人賞用にソードアート・オンラインの世界観を利用した別の作品「アクセル・ワールド」を書いて、こちらで受賞し作家デビューした。
ちなみにアクセル・ワールドは、物語的に関連性はないけど一応SAOの何十年後かの未来って設定。

このように、新人賞の規定に合わない作品であるなら合うように工夫すべきで、その工夫はストーリーの圧縮ではなくアイディアの時点から行うべき。新人賞ってハードルはそんな小手先では通用しない。

>新人賞の1巻分に最終まで出す場合は、一気に主人公については出さないといけない上、ヒロインとも親密にしないといけない感じでしょうか。
基本的にはそう。
ただ、例えば主人公とヒロインが恋人になりますって場合があったとして、でもそれって程度がありますよね。
ラブラブでイチャイチャなのか、お互いを意識してる初々しいカップルなのか。
でも、この両者はどちらも「恋人」ないし「恋人のような関係」と言える状態ですよね。
主人公とヒロインが親密になる結末を考えているのであれば、せめてその切っ掛けは与えて読者に「二人は親密になるのだろう」と思わせるような展開がないといけないと思う。

でも、この回答はあくまで「最後まで出す場合は最終巻で想定してる親密状態にしなけりゃならないのか」って質問の回答であって、私ならそうはしない。
私の場合なら、前述したけど、そもそもアイディアの段階から変更する。
「魔王を倒す」という最終的な結末から、「故郷を守る」という話に変更する。
魔王を倒すには主人公は勇者に覚醒しなきゃいけないけど、1巻でそれをしなきゃならないか? という質問に置き換えられると思うんだけど、
この場合、魔王なんて存在を出さず、キャラと世界観はそのままで「故郷の危機を救う主人公の活躍を書いた話」にしてしまえば覚醒なんてしなくても問題ないでしょ?

作品に込めるものは、基本的に全部書く。
だから、書ききれないと判断できる場合はアイディアから作り直し。

逆に考えてみてくださいな。
この物語は序盤はテンポ悪いかもしれないけど2巻目からすっごく面白くなるんだ、事実新人賞用には入りきってないけどWebでの感触もいいし友人の反応も凄く良い。本屋に並んでても違和感ないくらい面白い。と、そんな物語を書けたとしましょう。
でも、新人賞の審査員が読むのは、その面白い物語のうち、テンポ悪くて微妙な1巻だけなんですよ。面白い2巻目の内容は書かれてないから読めないし、評価できないから1巻の「微妙な作品」という最終評価にしかならないんです。
これは損ではないですか? 本当は面白い作品なのに。
「続刊を想定するな」は、編集部側の都合ではなくて、作者側の問題として、そんな続刊を想定して出し惜しみしたら評価が低くなるだけなので、損でしかない、ということなんよ。
最初に想定した「面白い」は新人賞用作品の中に全て積み込みましょう。
それが出来る、出来ない、がまず間違いなく作品が審査の人の目にとまる基準だと思う。
多少は妥協して切り捨てる事もるけど、もし切り捨てたアイディアが思いがけず秀逸で高評価で切り捨ててなかったら受賞してたかもしれない、と考えると、私の言ってる意味わかりますかね?
続刊は想定するな。「面白い」は全部書け。それが出来ない未熟者であろうと、その努力はせよ。
でなければ、「もったいない」です。

>新人賞作品に1巻から終わりまで全て書くとして。もし受賞し連載が決まれば、それをバラして新しい1巻目から書いていくことになるのでしょうか。
違います。
「勇者が魔王を倒した」というエンディングから続編を求められます。
ラノベの新人賞作家は皆が一冊に全力を出して全部書くので、受賞した後の二巻目が一番の地獄になります。これは、たぶんほぼ全ての受賞者が言ってることだと思う。
だからといって続刊を想定して2巻目のネタを出し惜しみすると、そんなものは受からないので、だいたいみんな二巻目に苦悩します。
まあ、とはいえやりようはいくらでもあるので。

>結局、新人賞をどこからどこまで書くかなんですが。私の考えでは、主人公が区切りいいところまでという認識です。
新人賞は「最後まで」です。区切りがいいとこまでという作品はまず落ちます。

>ただ、自分で区切りがいいかの判斷となるので、出版社や読者によっては、違うように感じるかもしれません。
これは、そもそも考え方が間違っている。
「どこを終わりにするか?」は作者が決定し、そのように作る。
だから、織田信長なら「尾張を統一する信長」と考えれば弟を下して叔父を倒して教育係の爺やが死んだあたりまで。
「覇道を唱え同士を得て結婚する信長」と考えれば、斎藤道三と意気投合して娘の帰蝶と結婚するまで。
「織田信長の人生」と考えれば、いま挙げたことは「区切り」になってしまって「最後まで」にはならなくなってしまう。
この考え方は前述した「魔王を倒す」から「故郷を守る」にアイディアを変えた考え方と同じ。
スレ主さんはゴールを遠い場所に設定してしまうから長編漫画のようになるだけで、「ラノベ1冊程度で収まる場所」にゴールを設定する。
出版社や読者によって違うように感じるかもしれない、ではなく、
「ココが区切りになるよう、ココがラストになるよう」に作るんですよ。読者によってではなく、作者の意図によって違う。
感じ方の問題じゃない。作り方の問題。

>やはり1巻で完結する内容が宜しいでしょうか。
1巻で完結しない作品は、どんなに面白くても新人賞では100%落とされます。たぶん1次突破もできないんじゃないかな。
1次は編集が読むんじゃなく下読みが読むので、規定とか主旨とかルールから外れたものは問答無用で落とされる。

とりあえず、スレ主さんは長編漫画を想定するようなネタ作りから脱したほうが良いと思う。
そういうネタしか思いつかないとしても、その中でラノベ一冊分に収めるにはどうまとめたら良いか、をよく考えてから物語を作るべきかな。
あくまで新人賞を狙うなら、の話だけども。
今回は新人賞とのことなのでところどころ説教じみたキツイことを書いたと思いますが、創作は自由なので適当に楽しく書くのが一番ですよ。
漫画の長編みたいなネタしか思い浮かばないならWeb連載したほうが良いので、そもそも目指す方向にも気を使ったほうがいいかもしんないと思う。

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