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タイトル:主人公の登場率の返信 投稿者: あまくさ

>そうなるとリンクの記事に書いてある「冒頭から主人公を登場させる」というルールに反してしまうので今頭を抱えている状態です。

>やはり群像劇だろうがそうでなかろうが、冒頭から終盤まで主人公を登場させるのは新人賞に限らず鉄則なのでしょうか?

こういうことにルールや鉄則は一切ありません。
ただ、そう言われるそれなりの理由はあるので、そこを理解した上でご自身で判断される方がよいと思います。

冒頭から主人公がはっきりしないことの弊害は、

◎読者が迷子になる

これにつきます。

小説を読み始めた段階では、読者の頭の中は物語に対して白紙です。なので読者は、「これはどんな物語で、何に興味を持って読み進めればいいのだろう」と考え、少しでも早くそれを見つけようとします。見つけるまでは物語に没入しにくいという状態になりがちです。

アニメとかであれば視覚や音楽というかなり刺激的な情報があるので、それだけでいきなり視聴者の心を鷲掴みにすることも可能です。しかし、小説には文章しかないということを、よくよく考えてみてください。
何が起こっているのか分かりにくい文章を長々と読まされるのは、かなり退屈なことだと思いませんか?

つまり問題の本質は、主人公がどうこうというより、

◎物語の核心に近い何かを、一刻も早く読者に伝える。

ということです。

>冒頭の数ページは主人公ではなく、主人公の幼馴染が名も無い岬から身投げするシーンで始まっています。

そのシーンがきわめて衝撃的で、読者に鮮烈な印象を与えるように書かれていれば、幼馴染が主人公でなくても十分成立すると思います。

ただ。

すみません、失礼な言い方になってしまいますが、小説の冒頭で誰なのかも分からない少女(?)が身投げするシーンなんて、まず、有り触れていますよね?
その身投げが、先の斬新な展開につながると感じさせる要素がすぐに示されるなら良いのです。ただ、作者が「これは伏線で、ずっと先まで読んでくれれば面白くなる」と思っているだけではまずいです。それだけだと、読者には伝わりませんから。

要するに、必要なのは「この物語は面白くなる」という期待感を読者に強く印象付ける演出です。それができるならば、冒頭から軸となるキャラがころころ変わる群像劇でもかまいません。

ただ、経験則として言うなら、軸となるキャラがころころ変わる小説って、物語の面白さがつかめてくるのに時間がかかる傾向は否めません。なので興味を持たせる演出が不可欠になるわけですが、それってけっこう難易度が高いんじゃないかと。

その点で、主人公が固定している小説は、読者にとってストーリーがどこに向かっているのか分かりやすいので、読むのが楽です。読むのが楽なだけで、読者はけっこう付いて来てくれますから、取り合えず有利なんです。
その有利さを捨てて構成の複雑な手法を選択するなら、不利をカバーする魅力をどう盛り込んでいくかが勝負ということになるのだと思います。

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