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返信する!以下は元記事

タイトル:構成と視点についての返信 投稿者: 通りすがり

質問者様の中でまだ具体的な構想が固まっていないとのことなので、名前の挙げられたアニメ化作品を例に返信していきたいと思います。

まず、主人公は「A」と「B」がいるとの事ですが、彼らは男同士なのか、それとも男女や女同士なのか。
彼らの間にあるものは友情か、愛情か、はたまた敵対なのかでも見せ方は変わってくるでしょう。

これが例えば例のアニメだとすると、視点Aは「男の語り手」。視点Bは「ループを自覚している女の同級生」になります。
彼らは男女ですが、その間に恋愛感情のようなものは仄めかされておらず、関係は「黒幕Hを部長とした部活動の仲間」となります。
Aは以前Bに助けられたことがあり、BもAの一助によって危機を救われたことはありますが、互いの関係はバディというわけでもありません。
強烈な吸引力を持つHが架け橋となり、AとBはどうにか関係を築いています。

では、「構成と視点」。
質問者様が一番気になっている部分はどう描かれているのか、例の作品を元に考えてみましょう。

ここまで聞いていて「元になった作品はダブル主人公じゃねえ!」と思ったかもしれません。
そうなんです。元の作品は決してダブル主人公ではありませんよね。

でも、たぶん大丈夫です。
なぜならこの「ループ」のエピソードだけを切り取ってしまえば、AとBは他作品で言うところの、協力者(バディ)と呼んで差し支えないからです。
もしそれでも気になるのであれば、追って返信いたします。

さて、「構成と視点」の話に戻りましょう。

先ほどこのエピソードだけを切り取ってしまえば二人はバディと言いましたが、当作品では決して二人の視点は対等な量ではありませんでした。
「二人が事件を解決する話」ではあるけれど、「視点は終始Aに偏っていた」んです。
なぜでしょう。

少し遠回りをしてしまいますが、ここで世間で人気なダブル主人公作品を振り返ってみます。
もし実名を出すことが気に触ったら申し訳ありません。

・鋼の錬金術師
・金色のガッシュベル
・TIGER & BUNNY
・君の名は。
・DEATH NOTE
・うしおととら

もし質問者様がアニメ好きであれば、一つは掠る作品があるかもしれません。(なかったらごめんなさい)
この作品群を全部知っていると「お?」と思ったのではないでしょうか。

そうです。このアニメ作品はどれも「二人のメインキャラ」を大々的に打ち出してはいるけれど、視聴者の視点と近いキャラ。
つまり、「メインな」メインキャラはどちらか一人なんです。

例えば君の名は。という作品は、遠いところにいる男女がある日生まれ変わってしまう作品ですが、事件の解決能力があるのは男の子の方です。

DEATH NOTEでは、名前を書いたら死ぬノートを拾った高校生とエリート探偵が出ますが、話の中心は高校生です。

こうしてみると、多くのダブル主人公ものは(意図的にそうしたものを除いて)主人公は二人いるけど、更にメインのキャラがいることがわかります。

さて、「A」と「B」が登場するループのエピソードに戻ると。

AとBはこのエピソードにおいて、互いに協力関係です。
Aは最初現実が何度も巻き戻っていることに気づかなかったけど、いくつかの気付きを経て、またBの助力を得て、事態を理解しました。
そんな中で、AはBが途方も無い回数のループを知覚しているのを知り、驚愕します。
AはBがいなければ事態を解決するのは難しかったでしょう。

つまり、Aは当然としてBも主人公級の活躍をしているのです。
でも、お話の視点は語り手であるAに偏っていました。
なぜでしょう?

それは「Aの視点で物語が語られることで、視聴者が迷子にならず一筋のストーリーを追える」からです。

他サイトの引用になってしまい申し訳ないのですが、面白い記事があったのでURLとともに一文を載せます。
もしかしたら、自分の返信よりこの記事の方が質問者様の意に沿うかもしれません。

「主人公は2人いてもいい?」
https://kakuyomu.jp/works/1177354055193794270/episodes/16816452218410929550

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 たしかにラブ・ストーリーやバディものには主要なキャラクターが2人登場します。しかし、両者がともに主人公ということではありません。【どちらか】のキャラクターを中心に据えなくてはいけません。残されたもうひとりは、たとえ登場頻度が高くても「第二の主人公」ではなく、物語上の役割としては「ライバル」ないしは「仲間」として物語に登場させなければなりません。やはり主人公はひとりなのです。

(中略)

 さて、主要登場人物が2人(ラブ・ストーリーやバディもの)のケース、そして3人のケースについて、それぞれ異なる本から引用しましたが、両者に共通していることがあります。

 それは【主人公は複数人に見えて、実はひとり】だということです。

 一見主人公のように見える主要キャラクターは、実は主人公のために存在している(サブ)キャラクターだったのです。そのようにキャラクターを配置する(主人公と他のキャラクターの関係性を設計する)ことで、主要キャラクターを作品に複数登場させつつ読者の気持ちを掴むことのできる直線的な物語を描くことができるのです。

 主要なキャラクターを複数人登場させたいと思った場合、やはりベストな選択は「主人公はひとり+他はサブキャラ扱い」になるでしょう。ただし、サブキャラクター=少ししか登場しない、ということではありません。主人公と同じくらい登場してもよいのですが、その場合でも、その主人公の役割を明確に打ち出し、重要性を与えるために登場させるようにしましょう。

 自分が生み出した愛着のあるキャラクターを平等に扱いたい気持ちはわかりますが、思い切って【「主要な」主要キャラクター】を決めるようにしましょう。
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だいぶ引用が長くなってしまいすみません。
「ダブル主人公」の書き方について、少し見方が変わってきたのではないでしょうか?
なぜ、例のループ作品で視点は終始Aに固定していたのか。

視聴者は「Aの視点で見える世界」を追うことで、迷子にならず物語を見てくれるからです。

質問者様がどんな作品を構想されているのか、まだ明確なことはわかりませんが、二人の主要人物を中心に添える場合であっても、その更にどちらか。
メインの、更にメインキャラをどちらにしようと考えれば、「構成と視点」も悩まずスムーズにいくのではないでしょうか。

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