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タイトル:視点者の意識がないときの描写の返信 投稿者: オミクロン

 オミクロンです。自分の3の手法を多用しているので、参考になれば幸いと思い書き込ませていただきます。

 まず、留意すべき点として、「視点移動」が発生した。ことを分かりやすくすべきだと思います。例外があるとすれば、叙述トリックの真似事をする時くらいでしょうか。

 自分がの場合、視点移動直後に主人公の3人称を使います。佐野様の文の視点移動に私が文を入れるなら、次の一文を挿入します。

 深い眠りに落ちた主人公の頬を、魔女は優しく撫でた。

 1人称の地の文で、自身の3人称が出てくることはありません。なのでこの瞬間に、「あ、視点が変わったな」と分かりやすく見てもらえると思います。

 ただ、他の方々の指摘通り、3人称神視点は情報の取捨選択が極めてシビアです。読者が知る必要のない情報をズラズラ書けば、蛇足になります。また、必要なものでも余計に書けばネタバレに直結します。

 この【必要な情報】というのがまた厄介者でして。短期的に見れば不必要であっても、長期的に見れば必要だったりする場合があるんです。特に継続することに意味がある情報、情に関するものが該当すると思います。

 そこらへんはストーリーの詳細により精通した作者が、推敲に推敲を重ねることでどうにかなると思います。

 最後に、これは他の批評者様への批判に当たりますが、多少関連するので書かせてください。

 3人称神視点の文章というのは忌避されがちです。カメラワークの問題、情報過多の問題、感情移入の問題等々。それは否定しません。ですが、存在してはいけない文体ではないと思います。

 むしろ、それらを適切に扱えれば、物語に厚みを持たせることが出来るというのが私の考えです。「主人公の視点で全てが見える」物語は、極論が過ぎると感じました。逆に物語を薄くする可能性を持つと私は思います。

 実例を提示させてください。ソード・アート・オンラインのアリシゼーション編です。

 ネタバレになりますが、主人公キリトは作中で心肺停止状態になり、脳の一部が損傷に近い状態になります。それを治療するためにアンダーワールドへとダイブすることになります。

 そこからはアンダーワールドの世界と、現実世界の双方で物語が進行します。現実世界においては主人公不在であるため、視点は3人称神視点で進行しています。

 更に中盤以降キリトは心神喪失状態となり、自活すらままならなくなります。そこからはアンダーワールドの世界でさえ、主人公がいるにも関わらず、キャラクターのアリスへと視点が変更されます。

 では、これらの「主人公の外」にある物語や描写。アスナの必死の努力や、神代の葛藤、アリスの献身などは、作者の長ったらしい自己満足と断ぜられるべきでしょうか? 私は否だと思います。これらを失えば、あのアリシゼーション編は駄作として終わったでしょう。

 総括します。3人称神視点は毒にも薬にもなります。毒性のみを見て捨てるのは、余りにも勿体ないです。なのでまずは自由に表現をして、後から真に必要か否かを推敲するのがいいかと思います。そうすれば自己満足の領域を可能な限り削り、演出の部分を増やせると感じました。

 長文失礼しました。

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