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タイトル:300文字小説のオチの作り方を教えて下さいの返信 投稿者: サタン

ホラーはストーリー小説だと思わないほうが良いです。
というのも、何かしらの物語性があると「なにが」「どうなって」「こうなる」という流れが必要になるのである程度の文章量が必要になる。
上手ければ短くまとめることも出来るが書き慣れてないなら最低でも1000~3000文字はないと物語の流れを書ききれないと思う。

ホラーは他のジャンルと違って物語がなくても楽しめる。
これはなぜかというと、物語の「面白さ」というのは感覚で捉えると実に抽象的で形がないものだからわかりにくい。
だから作り手ならそこは感覚だけでなく理屈でも把握するんだけど、「この物語はここが面白いんだ」と考えたなら、その面白いところを読者に伝えなければならない。
つまり「この物語はここが面白いんですよ」「ここを楽しんでくださいね」と、楽しみ方を伝えなければならない。そうしないと読者はどこを楽しんだら良いのかわからない。楽しさを伝えるというのが作り手として娯楽小説の基本であって難関でもあると思う。
ところが、ホラーってのは「面白い」のルールが明確で、怖けりゃいい。怖いのを楽しみに読む以外ないんだから。説明する必要がない。
「怖い」というのは人間が持つ本能に近い感情なので、説明が不要で演出が全て。
だから、本来「楽しさを伝える道具」としてある「物語」がホラーには不要で、「恐怖」というワンシーンのみで成立しちゃう。

それで言うと、「オチが思いつかない」という考えが面白いホラーを作るには邪魔だと思う。
オチがあるってことはオチに至るまでの説明が必要なるから物語性がある。
そうじゃなく、「こういうの怖いよね」というワンシーンだけでいい。
例えば、

 友人と噂のコンビニへ向かった。なんでも駐車場に出るらしい。縁石に腰を下ろし、良いと言うまで顔を上げるなと言われて顔を伏せていると、視線の先の地面にヒールの足が見えた。その足が俺の前で一瞬止まった気がした。顔を上げそうになるが、足は視界の右から左へと消えてゆく。背後から「っしゃせー」と店員の声が聞こえる。
 友人の「もう良いぞ」との声に促されてコンビニの店内に目を向けると、ところが店内には誰もいなかった。
 ゾッとした。確かにヒールの足を見た。
 すると、店内のトイレのドアが開いて人が出てきた。呆れた。友人は「バレたか」などと笑っていたが、俺はすぐに気がついた。
 トイレから出てきた男性はどう見てもヒールなんて履いていない。
 あのとき顔を上げなくて良かったと心底思った。

こんな感じ。ちなみにこれで空白除いて329文字だったので少しオーバーしてるね。
主人公の前でヒールの足が止まったくだりを入れなければ制限内に収まるけど、この即興ネタは「あのとき顔を上げなくて良かったと思った」ってトコを思いついて書いたので、個人的にそこは削りたくないし、入店した人物はトイレに入ってたから店内に誰もいなかっただけだった からの その人物は主人公が見た足の主ではないとわかる って上げて落とすみたいな二段落ちの流れも出来れば削りたくないんだけど、こうやって二段落ちとか考えてるから文字数制限を超えちゃうんだよな。
通学路を下校中にアパートの一室で立ち尽くす女性がいた、なんとなく違和感を覚えて翌日そのアパートを窓から覗いてみるとその部屋は何もない空室だった。
とか、そういうなんの捻りもないワンアクションでいいんだよな。文字制限が少ない場合は。
こういう短いホラーはオチというかネタがそのままオチになるから、物語なんて考えずワンシーンで考えた方がいいし、たった300文字で何か爪痕残そうと色気出さない方がいい。

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