ほんとレベル次第かと。
悪い例としては
【彼の前にリンゴが転がっていた】
【夜7時45分35秒、座る彼の左斜め前1メートル先には、彼が起きる5分20秒前から、未熟なリンゴが1つと熟したリンゴが2つ転がっていた】
前者は情報が少なすぎ、後者は必要ではない情報が多すぎ。
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この文章でいうなら【りんご】の位置が問題になるかと。
例えば、彼がいるシチュが『リンゴ泥棒の見張り番』ならば(いくつか)表記だけで泥棒が単独犯の可能性が高いのが十分わかります。
(いつのまにか)なら彼が不真面目な見張りだったか、居眠りをしていた可能性が高い。
【彼が居眠りをするソバで、リンゴを落っことすレベルで慌てて逃げた、リンゴ泥棒がいる(つまり、まだ近くにいる)】という事は分かります。
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これが真冬のキリマンジャロで仲間の登山者とはぐれ、絶賛遭難中の登山家が見たなら【りんご】は異常な存在になります。
この場合【りんご】は個数より妄想の産物か本物かの方が重要。
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ホラーなんかでは、りんごやラバー・ダッキーなんかは暖かでありふれた日常の象徴として描かれ、非日常的な死体や殺人鬼とのコントラスト。あるいはブラックジョークとして使われますね。
【彼の足元には彼が抱えていたリンゴが4つ転がっている。
4つ?彼が購入したリンゴは3つのはずだ。4つ目のリンゴを注意深く見る。なぜあのリンゴには指と自身がはめていたはずの婚約指輪がついているのだろう?あれは———】
とかなら個数にこだわってもいいよ。
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前に読んだ推理本にこんな言葉がありました。
「言葉を正確に伝えようとするほど、言葉の正確な意味が伝わらなくなる」
・例・・・・・・・・・・・・・・・
とある女○○が大好きな男性、××には微妙に好きになれない点がある————例えば、頭の天辺が薄っすらハゲている————として。
食堂とかに集まった(無関係な)女グループが大声で【ハゲとか本当キモイ】【いくら金持っていいてもハゲは無理】【ハゲのイケメンより、不細工でもフサフサがいい】【そもそもハゲはみっともない】【薄らっぱげとか惨めすぎて横を歩かれるのすら嫌】という話題で盛り上がっているのを見かけ、
後日、たまたま好きな男性××と二人きりになった時に、彼から
『そういや○○さんもあの場にいたよね。俺もいたんだ~。ちょっと凹んだ。○○さんも、やっぱりハゲは無し派?』
と冗談めかせて聞かれたとき
1、「正直、ハゲは厳しいですわぁ・・・・(本音)」
2、「ぶっちゃけ・・・はげフェチなんです(嘘)」
どっちが○○の心情を、明確に、如実に正しく伝えるでしょう?ってやつ。
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1、を伝えてしまうと、受け取る相手からすれば【お前は無理、嫌い、わたしの横歩かないで】と言われているに等しい。
欠点を含めても、お釣りが来るほどあなたが好き!!なら2、と伝えた方が相手により正確に伝わる感じです。(あえて男女を逆にして設問しました)
第三者視点でも、ハゲが「ハゲ嫌い?」なんて尋ねている事実から見て【そう】としか見えないし、取れないと思います。
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より明確に、如実に記載するために、あえて曖昧な表現を使う必要もあったりするかと。