「オマージュ」という言葉に惑わされない方がいいかもしれませんよ。
1)パクりと見なされてしまう模倣。
2)オマージュ。
3)オリジナリティのある正当な模倣。
この三つは異なります。もう少し詳しい補足を追加すると、
1)パクりと見なされてしまう模倣。 → 作者がズルをして楽に書こうとしていると見なされやすい。
2)オマージュ。 → 「好きだから模倣する」という行為は1にはあたらないので、寛容に見てもらえる。
3)オリジナリティのある正当な模倣。 → 参考にした作品と自作を冷静に分析することが必要。
こういうことです。
1はもちろん論外。
2は正当な行為ではありますが、なまじ好きな作品に寄り添う行為なので、3の「冷静な分析」ができなくなりがちです。そのため、「オマージュしつつもオリジナリティを出す」ということが難問になってしまうのです。
3は元ネタと自作を冷静に比較・分析することなので、それができればオリジナリティを盛り込むこともできます。
>オマージュしつつもオリジナリティを出す。
>当たり前のことですが、難問ですね。
比較・分析ができれば別にそんなに難しくはないはずです。
それでも難しいと思われるなら、コツとしては一つの要素を「真逆」または「意外に思うほど違うもの」に変えてみるのが、わりと効果的です。男女の関係性で成り立っているエピソードなら、性別を変えてみるといったことです。
例えば、エヴァの最初のエピソードのシンジをアスカに変えてみたらどうなるか? みたいに考えてみます(アスカをゲンドウの娘にしてしまう)。性別が少女に変われば周囲の反応も変わるだろうし、シンジとアスカはかなり性格が違うのでこちらの言動も同じにはならないはずです。するとどんな展開になるのが自然だろうと考えていくと、原作とはまったく違ったストーリーに変質していきます。
それがオリジナリティになります。
* 当然ですが、最終的に仕上がったストーリーではアスカやゲンドウというキャラ名は変えます。組織や背景も似ても似つかないほど変える方がいいです。
説明したプロセスはあくまで「発想法」として、スタート地点のみ模倣から考え始めるということです。