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タイトル:敵キャラの設定についてアドバイスをお願いします。の返信 投稿者: ヘキサ

マジで文章量だけで判断できる待遇差ですね(苦笑)
古めの漫画の代表ということで「3×3EYES」を出してみます。

主人公の藤井八雲はヒロインの「パイ」(第三の目を持つ不老長寿の種族)と出会って彼女の「人間になる」という願いを叶えるために数々のトラブルに巻き込まれます。最初は巻き込まれるだけの話だったのですが、八雲が戦う力を身に着け始めた頃から次第に八雲の物語としてシフトしていった、と作者が語っています。

いちおう設定的には、パイの種族は強力な術を使える代わりにその消耗が激しく、使うたびに眠りに陥るためにいちいちそうしているとやっていられません。そのため、しもべとして使える人間を選びその人間を「自分が死なない限り不死」とすることで自分を強制的に守らせざるを得なくしてしまう。この術を巻き込まれて瀕死になった八雲を助ける目的で使い「助けてやったんだから働け、自分を守れ」状態にしています。

作者は最初はどうも「パイがとどめの術を使える状態になるまで守らせる」というパターンを想定していたようですが、それだけでは充分ではなくて八雲ズタボロにされてばっかでうまく話が進んでなかったりとか、意外とパイと八雲の別行動が多かったりとか(パイは結構無茶する娘だから……)、いろいろあって結局八雲がポジティブに「自分に必要なものを欲した結果」、だと思います。こういう少年漫画らしい積極性が、この作品が長期化しても路線変更してもブレずに完結できた要因だろうと思っています。

なので、主人公もよく考えて目的を達成するために必要なものを積極的に身に着けようとする。それだけの話ですかね。
さいしょが「ごくふつうの学生」というのは読者が感情移入しやすく、導入として自然です。だからその後主人公がどうしようと思うか。そしてそのための手段を提供するのが作者の仕事です。

八雲の場合は「獣魔」という特殊能力を持つ数々の怪物を使役することで強くなっていきます。これは最初敵側が使っていたものですが「なんとかして自分も使えないだろうか」ということでその使役方法を学び修行(けっこう散々な目に遭ってる)したうえで身に着けています。何しろ不死で「傷を負っても否応なしに身体が再生される」ため、「不死だからチートだろ」と思うレベルではなく「不死でもないとやってられん、何回もゲームオーバーを繰り返してやっとクリア方法を掴んでいる」状態での進行です(もちろん、敵側にも不死のしもべがいるため、そっちの動きをどう封じるか、という戦略も練ったりしています)。

最初に獣魔術を使った時のお披露目シーンなんかは、無力なままだった時から一気に時間軸が飛んでいたため「あの八雲がここまで強くなったんだ……」と感慨ものでした。そういうわけで、修行シーンを一気に飛ばすのも手です。
ちなみに後日、一時的に平穏な日々を暮らしていた時はまたデレッと締まりのない一面が出ていたため「あのカッコいい八雲はどこいったー!!」的な突っ込みを味方から受けていたりします。そういうギャップも楽しめます。

対して敵キャラのほうですが、プライベートな情報が多すぎますね。確かに主人公にしろコールが飛んで来そうだ……
これ主人公視点で全部書ききれるのかな?彼女側の視点入れちゃうんならそりゃ確かに彼女が主人公になっちゃうわ。主人公視点で進めて出てこない情報はバッサリ切り捨て……るのが惜しいくらい詰め込んじゃってどうするんですかー。なんか意味不明なまでにドラマが出来上がってしまっている……

わかりやすいように比較でやはり3×3EYESを出しますと、配下に作戦を伝える以上のことはほとんどしてません。何人か味方側についた裏切者がいたり、敵側の事情もわかったりしますが、それも味方側視点でのみ得られる情報が基本です。
私だったらバッサリ切り捨てて主人公側の視点に集中するかな。表出しなかった設定を集めて別の作品にするかもしれません。

あ、主人公ですが、どちらかというと八雲ポジションというよりパイポジションのように感じられます。「能天気・無邪気と見せかけてとんでもない無謀さ・メンタルの強さの持ち主」です。宇宙人のほうを多芸なキャラにして、その芯の強さだけで突き進む。フォローするのは宇宙人のほう、くらいのほうがいいかもしれません。

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