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タイトル:「中世異世界」世界観への納得の提示の返信 投稿者: サタン

ぶっちゃけ、設定なんてものは「納得できるよう書けば良い」だけです。
よく聞くのが、というか自分も経験浅い頃にはよく悩んだけど、「設定に矛盾はないだろうか」とか「筋が通ってるだろうか」といったものですが、これらは悩んだってしょうがない事です。
辻褄合わせと言ったら聞こえが悪いけど、どうにでも出来ることですから。

例えばオミクロンさんが「かなりどころではないほど歪」と表現した部分までのよくある王道設定ですが、この時点で別に全然歪ではないし納得できる説明は可能です。
だって、その世界には「魔法」ってものがあるんでしょう?
魔法はどのようにも解釈できる万能ツールなので、これだけでどうにでもできます。
ちなみにこれは「魔法の設定を適切なものにすればいい」という意味じゃなくて、どんな設定であっても文字通り「魔法による効果の解釈を作者の都合のいいように書ける」という事です。
実在しないものだから、どうとでも書けるってことですね。

一例を出すと、「魔法文明に頼った国は魔力以外の動力を使う発想がないので、光源も光の魔法を使うし、移動にも魔力の馬車を使う。このため魔力を持てない人との文明差が激しく、国民レベルは中世のような生活が主体である」とすれば中世のような世界観でありながら一部で高度な文明である説明はつきますよね。
一方で「魔法文明に頼らない国は供給が安定しない魔力とは別の動力を得ようとし、蒸気や簡易的な電球などを発明するに至った。魔力と違い誰でも扱えることから急激に文明レベルが上がり、魔法文明の裕福層ほどではないにしろ、国民の平均的な生活レベルは産業革命時と同程度にまでなっている」
と、こう書いたら、文明レベルがチグハグな説明ができますよね。
ついでに、蒸気文明の道具を手に入れた魔法文明の科学者が「これは技術がまるで違う。どんな素材を使ってるのかすら我々にはわからない」と言うようなワンシーンを用意すれば、その世界観で文明レベルが均一にならない理由も説明できますよね。
そもそも度量衡の統一は、世界的に見りゃ地球でもいまだ統一されてるとは言い難いですよ。
「主にメートル法を使っている」というだけで、アメリカやミャンマーじゃヤードも健在だし摂氏華氏と温度の表記もバラバラですよね。
まあ、一応国際的に統一はしてるはずなんだけど、確かメートル条約だったっけか。現状は「統一しました」と言ってるだけで例外的に古い単位を使ってる場合が多すぎると思う。ゴルフなんかはヤードだし、スポーツ関係はポンドを使ったりと伝統的に古い単位のままだよね。日本も日本刀の長さは尺で表現したりするし。
国が違う以上、良好な関係でなければ技術交換もないし、何かしらの概念が統一されたり技術が混ざったりするってことはそうそうないですよ。

えっと、脱線したけども、わかりますかね。
「設定」じゃないんですよ。設定で読者を納得させるのは最後の手段です。
でないと、何か不都合が出るたびに設定を変えることになってしまう。
ラスボスの神様を出したいのなら、そっちを中心にして全体の世界観を考えて整えていかないと。
読者は設定を読むわけではなく、物語を読むので、設定に頼った解決方法は本当に最後の手段です。

……というのも、「設定」というのは「そういうもの」で片がつくので強力なんですよ。
「主人公が金にならない依頼を受けた理由」は「依頼人が女で、主人公は女好きという設定だから」と。
これだけで問答無用に説得力があるでしょ。
どんなに不条理で理不尽で無茶苦茶であっても、「そういう設定」と言うだけで有無を言わさぬ説得力を持ってしまう。
でも、それは同時に「強力すぎる」ので、設定で解決させちゃうと「都合のいい設定を作ってるだけ」というように見えてしまうわけです。
例えば、そのラスボスの神様って「その世界観を成立させるためだけ」に存在してない?
文明レベルを封じたり技術を与えたり、都合よすぎない? そもそも「自分を信仰する世界」が欲しいなら、全世界に一切の技術を与えず原始的な世界のままにしたほうがいいんじゃない? 知識っていう疑いを持つ切っ掛けになるものを与える必要ないんじゃないかな? ってことにならないかな。
ちなみに、これは設定についてダメ出しをしてるように見えると思うけど、疑問を設定で解決させようとしてる事にダメ出しをしてるわけで、設定自体は悪くないと思います。
設定で解決しようとすると、例えばいま私がしたツッコミに対して、また新しい設定を作って説得力をつけようとするでしょ。
そしたら設定が膨れ上がるだけだし、今回のツッコミと同じようにまた別のツッコミどころが出てくるだけです。
例えば「知識あるほうがより信仰を理解しやすいのは当然だ」と解釈すれば、私のツッコミは全部撤回できますよね。
わかりますかね、これって別に新しく設定を加えたわけでなく、既存の設定から「こういう解釈をすれば納得できる」という要素を考えただけです。

なので、えらい長く書いてしまったけど、相談の前提が「歪な世界観」に対して
>これらに一定の納得を付与することが出来るのではないかと思いました。
という解決法の提案だったので、「その解決方法はミスを生む」という回答をしました。
既存の「歪な」ままでも、その設定を一切いじらないまま説得力を加えることは可能だし、設定という万能ツールを使うのではなく、いまある素材だけでなんとかすることを考えても良いのではないかなと思います。

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