個人的には大分無理があるように感じます。
最近は避けていましたが、少し厳しいことを言わせてもらうと『かなり』ではなく、『小説でやるのは絶対にオススメしない』というレベルです。
①『設定としてごちゃつく』から。
車×能力モノなんですよね、根っこは。でも、初見の読者からすると『車と超能力って、どういう関係があるんだ?』ってなっちゃうと思うんですよ。
何が問題かっていうと、説明パートがこの時点で長すぎるんです。しかも、省きようがない。
A:『車モノ』は自動車に詳しくない人の為に、適宜ドライビングテクニックや車の種類・改造・走りやすさについて語らねばならない。
B:『能力モノ』は超能力を使って戦う以上、それがどんな能力でどんな制限があるか書かないと『俺が最強って言ったら最強なのー!』って小学生理論で勝負が決まっちゃうから、説明を増やさないと面白くない。
A/Bの2点より、説明過剰になりがちなんです。ちなみに車の説明を省くと、『え、これ車である意味なくね? 超能力×陸上レースとかで良いじゃん』ってなる人がいっぱい出ると思います。
で、ここでさらに説明が必要になる歴史要素が入る訳です。歴史キャラを登場させる以上、言動や服装を描写して『もしや○○では……!?』っていう展開はある程度せざるを得ないでしょう。っていうか、名前以外の要素が残っていない歴史人物だされても困る。
そうなる以上『○○はこういう人物だった』という説明と、『○○は歴史通り、こんな言動をする』という描写を入れなきゃならない訳です。
まとめると、『車の説明と描写』『超能力の説明と描写と弱点を用いた駆け引き』『歴史上の人物の説明と描写と逸話を活かした活躍シーン』の、全部を書いたうえで、『筋の通ったストーリー』や『主人公の精神的成長』を描く必要があります。
しかも、ラノベというジャンルの都合上、そこそこ短いスパンでカタルシスがないといけないので、定期的に盛り上がりどころを作ったり、話がワンパターンにならないようにネタをころころ変え、そのすべてを説明しなければならない訳です。
これ、本当に書ききれますか? 少なくとも俺がかつて似た様なてんこ盛りを作った時は、『小説じゃなくて設定集じゃん』と言われました。
②でもって、問題点はもう一個あります。『それ、小説でやる意味ある?』という事です。
そもそも、車モノと言うのは漫画やアニメなどでビジュアルがあるからこそ盛り上がるのです。イラストの少ないラノベで勢いや臨場感を表現しようとすると、車に関する説明や描写を挟まねばならない分、それがデッドウェイトになって作品の勢いが損なわれがちです。でも、車モノのみであれば、ハンドル捌き次第で勢いのあるレースも描けるでしょう。
ですが、そこに超能力モノと歴史人物の説明がドンと乗っかる訳です。
いわば、フレームという文章量が耐えきれないほどのエンジンが3つ乗っている状態。レースの躍動感を出すには、重すぎるんです。設定が。
これが漫画やアニメなら、映像表現などでうまく生かすことが出来るでしょう。
ですが、文章一本のラノベでやる以上、どうしたって『説明の多さ』は物語の没入性を損ね、盛り上がりを欠く形になってしまいます。
一応最終手段として『説明を放り投げた、何でもありのギャグコメディ』にしてしまう手もありますが、それは質問者さんの望む事ではないでしょう。
以上、長々と語りましたが、今後の参考になれば幸いです。