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タイトル:ヒロインに敢えてドン引きされそうな事をさせてどれくらい大丈夫かの返信 投稿者: あざらし

パターンを(A:既存作)(B:新作)に分類して書きます。

まずは(A)から。
ご質問に、

>私の作品 ~中略~ いささかやり過ぎていないか心配になって来た

と、ありますので既に読み始めた方がいらっしゃる(少なくとも冒頭は)発表済み小説ですよね。
ならば『読者がここまでの物語をどう楽しんでいるのか』を想定して決定すべきです。

パターン(B)
これから書き始めるならば『どれだけやっても大丈夫』です。
むしろ、そういった迷いやブレーキを排除して、バッキーさんが書き続けるのが辛くなる程度を目指し、あらゆる常識を破って突き抜けてください。
中途半端ってのは一番たちが悪いです。
やるなら徹底的に。

さて本題。
このように(A)(B)のパターンに分類したのは、読者が物語を楽しむためには最低限の決まりが必要だからです。
身構える必要も疑心暗鬼になることもありません。簡単なことです。
1)タイトル
2)冒頭可能な限り早く、できれば数ページで物語の楽しみ方、最低限ジャンルだけでも提示する。

商業作品の場合は”装丁”がついて回りますので、そこで知らせることもできますがプロは己の勝負どころである文章を使ってこれらを明示しています。

御作の雰囲気を書き込みから想像して例を出します。
知名度のある作品、かつラノベでの代表格としてなら、たとえば【浅井ラボ著:されど罪人は竜と踊る】でしょうか。
小説の発表からは時間が経ってますが、今年度アニメ化されてますので未見であっても比較的記憶には新しいかと思いますし、知名度を優先します。

1)されど罪人は竜と踊る
このタイトルを読むと薄ぼんやりとでも『おおよその雰囲気・大くくりのジャンル』がつかめるはずです。
”罪人”で不穏な空気、”竜と踊る”は比喩か直接か、いずれであっても連想の中にバトルを含んで読み解く方が多いでしょう。
センスの良さが光るのは”されど”ですね。『そうではあるが、しかし』といった前述の打ち消しをタイトルに持ってきています。
2)については、これはもう読んでください。小学館の書籍紹介に試し読みがあります【https://www.shogakukan.co.jp/search/site/%E3%81%95%E3%82%8C%E3%81%A9%E7%BD%AA%E4%BA%BA%E3%81%AF%E7%AB%9C%E3%81%A8%E8%B8%8A%E3%82%8B】

4ページから”ポロック揚げ”のシーンで、物語の楽しみ方を紹介していますよね。
著者が『読者に物語の楽しませる約束』を明示すれば、あとは極論なにやっても大丈夫です。

なぜこれが必要なのかですが。
人間って不思議なもので、無意識であっても”いまから行う行動の結果”を予測し、予め準備しています。
これを酷く裏切られると不快感に繋がります。たとえば『紅茶のつもりで飲んだらコーヒーだった』や『塩と砂糖を間違った料理』といった誤認。(あくまで誤認の例え。これは脳の危険信号です)

もちっと近づけて、たとえば映画をレンタルしたとしましょうか。
タイトルは『○○の恋人』
ジャケットは女性と男性、背景にレンガ造りの建物とモミの木。
まぁ今日日なさそうなベタベタのラブロマンスだと誰しも思うはずです。
物語も中盤をすぎ、ふたりの仲も近づきそこでキスシーン。
ここでいきなりヒロインが主人公の顔面を噛み千切ったら、どうなるでしょう。
それがたとえ熱狂的なホラーファンだとしても喜ばない。これが正常な反応です。
仮にラブロマンスで、ゾンビになったヒロインを愛し続ける主人公であっても『そういった映画』だという情報提示が物語りには必要になります。

ジャンルの変更という、ありえないほど極端な例をだしましたが、それが同ジャンルでも程度があります。
高校生の部活を舞台にした格闘技漫画で、試合相手の首をへし折ったら、勝利ではなく不幸な事故です。
それがたとえ物語の盛り上げを意図していても、それまで楽しんでくれていた読者への裏切り。作者についていけません。
普通は物語の破綻となり、死亡事故という社会的な概念の中でもシリアスな代物が混入してきますから、少なくとも部活漫画という主軸の変更を余儀なくされます。※
普通の読者にすれば「それをやるなら初めっから(冒頭から)雰囲気だけでもやっといてくれ」って話です。

御作がA)ならば既存の読者を裏切らないように。
それが大丈夫ならバンバンやってOKでしょう。
B)ならば、1)と2)を意識してください。
読者が物語を楽しむための最低限の決まりを護るならば、なにをやっても大丈夫、ブレーキをとっぱらい全力でアクセルを踏み抜いてください。

面白いお話お待ちしております。
がんばってください。

※どっかの週刊連載漫画ではそういう実例もありましたがプロの技……ってか怪我の功名という感じ。不幸中の幸いという偶然性の高いレアケース。

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