ついでに言うと、単なる模倣よりワンランク上の技に「換骨奪胎」というのもあります。これは既成の作品の具体的なキャラやストーリーではなく、魅力のツボを抽出して自作に取り入れるということです。
例えばルパン三世の魅力について考えてみます。人によっていろいろ意見はあるでしょうが、犯罪者ながら憎めない主人公が巨大な組織力をもつ敵に腕一つで挑んで一泡吹かせる。そんな爽快感がウリの一つなんじゃないかと。
また『カリオストロの城』では、ルパンが無垢な美少女に淡い想いを抱き少女の方からも慕われるのだけれど、彼女を汚れた世界に引き込まないために敢えて身を引く。そんな哀感が味付けになっていました。
これを参考にして、主人公は腕と才覚で強敵と戦うアウトローで、ラストは住む世界の違うヒロインの下を去る話を作ってみようというのが、換骨奪胎です。
これならば具体的なアイデアや設定をパクるわけではないので、まったく違う話にアレンジすることが可能です。