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タイトル:主人公以外視点の書き方の返信 投稿者: 若山ゆう

初めまして。
みなさんおっしゃるように、視点移動は、「小説は主人公が見たり感じたりしたものを書く」という考え方が前提にある限り、避けた方がいいと思います。少なくとも、一人称で書くなら、やめた方がいいですね。それでもやりたい場合の手法は、他の回答にありますね。

私は今、三人称多視点で書いています。すごく難しいです、何度も読み直して、何日も何週間もあけてからまた読み直して、客観的に不自然ではないかチェックするのが大変です。自分の中にはすでにイメージ映像ができあがっているので、その先入観が、自分に甘く働いてしまうんですね。

とはいえ、視点移動で気を付けていることは。
当たり前ですが、ひとつのまとまりの中では絶対移動しない。
移動するときは章を変える。あるいは、段落間に*などを挿入し、視点移動の符号とする。
視点移動直後の1文で、読者に視点移動したことをわかりやすく知らせる。
例)
まずい、このままでは…!
太郎はすかさず呪文を唱えた。突如白い霧が渦巻き、次の瞬間、花子とタマは霧とともに忽然と姿を消した。

はじめ、花子は自分の身に何が起こったのか理解できなかった。目の前で大剣を降り下ろされ、もうダメだと思った瞬間、視界が白一色に包まれた。思わず目を閉じ、次に開けたら、そこは見たこともない草原の真っ只中だった。隣でタマがしきりに鳴いている。

…みたいな感じでしょうか。前半は、太郎の心の声まで入っていて、完全に太郎視点。そのあと、どうやらテレポートしたらしい花子の視点で書きたくなったので、はじめの一文をがっつり「花子は」で始まる文を用意し、あからさまに読者を花子視点に持っていく。この場合、場面が変わったことで必要な情景描写は、二の次です。例えば後半を、「そこは、見たこともないような緑の草原だった。時おり響く鳥の鳴き声の他は、何も聞こえない。周りを見渡しても、自分以外の誰もいなかった……ただ一匹、猫のタマがしきりに鳴いて花子にすり寄ってくる」としたらどうでしょう?
花子の名前が出るまで、読者は誰視点なのか宙ぶらりんのままです。中には、太郎視点だと思い込んで読み進め、花子の部分まで来て「あ、花子だったのね」となる読者もいるかもしれません。読者につまづかせたら終わりです、だから、文章自体は雰囲気の伝わる表現でも、文脈や視点移動発生などの状況を合わせ、時にはあからさまに視点移動をアピールする必要があります。

以上、僭越ながら、私の考える視点移動の工夫でした。ご参考までに…。

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