リマインダーというのは簡単に言えば「印象的な要素を盛り込め」ということです。これは、書籍の最初の方に書かれているテリングに相当します。
重要なのはテリング(表現)とプロットは別物だということです。なぜ重要かというと、テリングを重視してプロットを軽視する人、逆にプロットを重視してテリングを軽視する人が多いからです。
同意していただけるかどうか分かりませんが、スターウォーズの人気の要因の一つはダースベイダーのコスチュームだと思うんですね。もちろん他にもいろいろあるでしょうが、最初の映画が公開された時点ではあの外見が観客にあたえた印象が強烈で、作品の人気に火をつける決め手になったように思います。
ですが、あのコスチュームはプロットとは何の関係もありません。あってもなくても作品は成立します。リマインダーというのはそういうもの。作品の商品価値を高めるために、プロットやオーソドックスな創作論とは別の観点から付加する要素なんです。
繰り返しますが、テリング(表現・リマインダー)を重視してプロットを軽視する人と、逆にプロットを重視してテリングを軽視する人がいるんですね。作品を構想するにあたって、かなり感覚の違うところから思考される要素であるため、どうしてもそうなってしまうのだと思います。しかし、作品の魅力をささえる両輪としてどちらも等しく重要。それがあの書籍の主張なのだと考えています。