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タイトル:技術を求めるうちに書けなくなりましたの返信 投稿者: あまくさ

二次創作を書く原動力はキャラクターへの愛情ではないかと思うのですが、いかがでしょうか?
他の方への返信に三幕構成やキャラクターの葛藤・成長と書かれていましたが、それらはストーリーを作るための技術です。そしてストーリーを作るためにはキャラクターを客観視する必要があり、時には冷たく突き放すことも求められます。

>以前は頭の中で活き活きと動いていたキャラクターたちが今は全く動いてくれない。

ストーリー作りの技術はキャラを動かす技術で、キャラが動くのではありません。
ただしオリジナル・ストーリーの作者にもタイプがあって、最初にストーリーやアイデアから考え始める人と、キャラから考え始める人がいます。最終的にはストーリーとキャラクターは融合しなければいけないのですが、物語を作っていく段階での優先順位が異なります。
よく「キャラクターが一人歩きする」と言いますが、そういうことが起こる人はキャラクター優先でストーリーを考えることに慣れているのではないでしょうか? 私自身はどちらかと言うとストーリーから考え始めるタイプなのでいまいち分かりませんが、本当にキャラに一人歩きさせたら三幕構成のようなプロット・テンプレートにはなかなか収まってくれないんじゃないかと思います。

二次創作と技術が相容れないものだとは思いません。ただ、あくまで二次創作にこだわるなら、目指すべき技術の方向性が違うのではないかなと。
原作のキャラや設定。それらを掘り下げてより深く理解することによって、みんみさんにとって最も真と思える理想のストーリーを追求すればよいのではないでしょうか? 二次創作の技術を高めるというのは、そういうことなんじゃないかという気がします。

一つ例になりそうなエピソードを思い出しました。
クラシック音楽の著名曲にモーリス・ラヴェル作曲「ボレロ」というのがあるのですが、これは作曲者による自演の古いレコードが残されています。ところがイタリアの名指揮者トスカニーニが、「あなたの演奏したボレロは解釈が間違っている」と言ったそうです。作曲者にですよ(笑

作品の解釈を深める。これですよ。

ポピュラー音楽の好きな方は、クラシック音楽の世界では過去の作品をただ楽譜に忠実に繰り返し演奏していることに疑問を感じるようです。つまらないんじゃないかと言うんですね。
しかしクラシックの演奏家は過去の楽譜を徹底的に分析して、理想の表現に到達することに心血をそそぐんです。そういう演奏家の姿は、マンガ『のだめカンタービレ』に活き活きと描かれていました。
それもまた創造だと私は思います。トスカニーニが作曲者に「あなたのボレロの演奏は間違っている」と言った気持ちは、二次創作に取り組む方には分かるのではないでしょうか? 原作を原作者以上に自分のものにしたいという想いがあるのでは?

オリジナルと二次創作に優劣はありません。単に別物であるだけ。私見ですが、根本的な違いは二つあります。
一つは、二次創作はキャラや作品に対して「第三者目線」から出発するということ。オリジナル作品の場合、自作を第三者目線で見るということがきわめて難しいんです。なので、書いた作品を他人に読んでもらった時に「ここをこうした方がいいんじゃない?」という意見に驚くことがあります。そんな見方があったのかと目から鱗が落ちることがあるのですが、二次創作ってある意味そういう読者目線から出発できるんですね。
そして違いの第2は、広がるか収斂するかなんじゃないかなと。
オリジナルは一つのアイデアから可能性は無限に広がります。しかし広げすぎると雲をつかむようになってしまうので、三幕構成などの型にはめると考えやすくなります。
二次創作は、原作のキャラや設定などの好きな要素から、自分なりの理想形というほぼ一点を求めていく感覚なんじゃないかと。

……とまあ、技術を習得するにしても、二次創作なら求める技術の内容が違うんじゃないかなという話をしたわけですが。
それはそれとして、これを機会にオリジナルに目を向けてみるのもいいんじゃないかなと私も少し思いました。取っ掛かりはストーリーではなく、オリジナルのキャラクターを作ってみるというのはいかがでしょう? 自分しか知らない自分一人の友達のようなキャラを作ってみるというのも楽しいですよ。
二次創作に行き詰っているのなら、気晴らしに目先を変えてみるというくらいの軽い気分でやってみてもいいのでは。それでうまく行かなければ、また二次創作に戻ればいいのですし。

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