足し算じゃなくて引き算で考えたらどうですか? 主人公への好感度が高いっていうより主人公以外への好感度や信頼度が低すぎるため主人公に依存してしまうみたいな。
家庭環境が異常で虐待されて育ったとか、地域住民に差別を受けていたとかで人間不信になっていたところ異世界からやってきたばかりの主人公に優しくされて、「この人についていこう。どうせ私には失うものなどなにもないのだから」思い定めたとか。
この場合だと単純に"好きになってしまった"だけじゃなくて、ヒロインの自覚の度合いによっては"この人を好きになろう"と決断したみたいなニュアンスも出てくるかもしれない。"好き"のなかに投げやりさや、逃避願望、地元への憎悪などが含まれていて、それが好きな気持ちを水増ししているイメージ。
あるいはそれに加えて、元からシンデレラ願望があって、「いつか白馬の王子様がやってきて、このろくでもない世界から自分を連れ出してくれるのだ」という夢想をひそかに心の支えにして生きてきたとかどうでしょう。だから、主人公が現れたとき「この人こそ私が待ち望んでいたものだ(待ち望んでいたものであるべきだ)」と考えてしまった。
方向性としては、主人公が主人公だから好きになったのではなく、もともと優しい男が現れたら誰であれ深く依存してしまう素地がヒロインの方に最初からあった、という感じです。
これなら、出会う前から主人公とヒロインの間に何らかの"縁"があったとする超自然的な仮定を持ち出さなくても辻褄を合わせられるのではないでしょうか。