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タイトル:戦闘シーンの表現の仕方の返信の返信 投稿者: にわとり

 ラノベで人間の理性が吹き飛ぶ瞬間を一人称で描写したやつが手元にあったので紹介します。野崎まど『{映}アムリタ』より。

----------------(以下引用)----------------

 兼森さんの言葉を思い出す。神様の描いた絵コンテ。
 そんなものがもしあったなら、人は、間違いなく読んでしまうはずなのだ。
 僕は意を決して、ページをめくった。
 そこで拍子抜けする。目に入った最初のカットが『月の海』の最初のカットと同じだったからである。
 あれ? とよく見てみると、このコンテはコピーではなく鉛筆書きだった。つまりこれは原本、マスターということになる。
 もしかして。これは『月の海』の下書きなのだろうか。
 確かにあれほどの完成度の絵コンテがいきなり完成したと考えるよりは、改良に改良を重ねて作られたと考えるほうが自然ではある。
 続きを見てみると、その考えを裏付けるようなカットが続いた。『アムリタ』のカット二は『月の海』のカット五と同じ絵だった。
 つまり、最原さんが最初に書いたのはこの『アムリタ』で、それに新しいカットを追加していったのが『月の海』なのだろう。
 それが判ると僕の緊張も一気に解けた。その場で大きく息を吐く。そうだ。よく考えてみれば、あれほどの絵コンテが二冊も三冊も存在しているわけはないのだ。
 だが僕は安堵と同時に落胆もしていた。もし二冊も三冊もあるならば、やっぱり少し見てみたかったと、そんな喉元過ぎればなことを考えていた。
 まぁでも、下書きだとわかったらもう何でもない。僕はそのままページを送った。
 やはり二ページ目も『月の海』で見たカットばかりだ。『アムリタ』はもう間違いなく下書きコンテであり、例えばこのカット四と六の間をつなぐ線を、仮に僕という人間の生命と非生命の境界としたとしても生命の死と自我の死の境界を定めること自体が関係を主体とする存在の定義と矛盾しており生命精神自我存在事象を分類しないと同時に認識するという現在の情報定義を根本的に再構築する非連続的遷移が必要な時列順序でこの言語様式に至っても二種三種の言語を交雑する以上のパラダイムシフトや複数の意義を持つ言葉の文脈連続判断の高度化高速化情報の集積累積による多層多元相互関係の同時構築と解析と並列化の並列化網化等価性時間場空間場文字音色光子電気信号小説音楽絵画写真映像映画演劇人生ヒト僕あらゆる透明な幽霊の複合体

 意識をもぎとり全身の力を振り絞ってコンテを壁に投げつける。呼吸が速い。全身にびっしょりと汗をかいていた。
 あの感覚。あの時の感覚。いや、同じじゃない。、あれよりももっと、もっと全然強かった。
 だが、今の絵コンテには知らないカットは一つも無かった。無かったのだ。『月の海』で知っているカットばかりだった。もう何度も見た絵なんだ。『月の海』の絵コンテはもう普通に読むことができるのに。なのに、なんで。
 
----------------(引用ここまで)----------------

 これはこれで結構トリッキーな描写なのでそのまま参考になるかどうかわかりませんが、一つの例としてこんなのもあるよっていう話。

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