また手厳しい言い方になってしまいますが、まだまだ文章技術に改善の余地がある段階で、成功した方(上級者)を形で真似ても無意味です。その前にやるべきことがあるのです。
喩えとしてよく用いられるのがピカソの絵です。まるで幼稚園児のようだとも言われます(実はピカソの一時期の作風らしいですが、それは措いておいて)。だけれど、多くの人に高評価されるのは、写実的な絵を描ける実力を蓄えた上で、あえて崩していったからです。基礎ができている、だから応用ができた、ということですね。
御作に戻りまして、まず前提として「書かれたものが分かりにくい」ということがあるわけです。その原因として、一つには無秩序な改行があると申し上げています。読んで分かるのなら、そのようなことは申し上げません。
分かりやすく、うまく書けたとき、Web小説の特徴を取り入れて成形してもいいです。しかし、今の文章ですと何度も読み直しては書き直す必要があります。推敲という必須の作業ですね。
改行を頻繁に、読点の位置でも改行してしまうと、推敲に手間取ってしまうのです。結果、推敲をあまりやらなくなる。せいぜい1行内の書き直しで済ませたくなる。
それではいけません。今はまだ練習段階だと思ってください。練習に適した文章スタイルにしておく必要があります。
ですので、いったんWeb小説ではないスタイル、すなわち普通の文庫本で書かれているようなスタイルで何度も書いてみて、何度も書き直してみることをお勧めします。模写に適した文章も多々あるはずです。古今の文豪、新聞のコラム、いろいろです。
大事なことですのでくどいようですが、もう一度。文章で何か伝えるための基礎力を磨きましょう。そのための練習は練習しやすい文体を採用しましょう。