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タイトル:現実の言葉と異世界の言葉についての返信 投稿者: 【本人から削除依頼】

 少し補足したほうがよさそうなことがあると気が付きました。「リンガ」です。これがなぜ「リンゴ」と認識しやすく、覚えやすくもあるのか。

 それは、固有名詞、特に人名についての注意点の裏返しだからです。キャラの名前は、「読みでの最初の1文字を被らせるな」というコツがあります。例えば、兄が「明」(あきら)、妹が「亜希子」(あきこ)ではいけないわけです。漢字は被ってませんが、読みが最初の1文字どころか、2文字被っています。これを兄「太郎」(たろう)、妹「貴子」(たかこ)に変えても、まだ戦闘の1文字が被っています。

 なんで被りを気にするのが先頭からなのか。読む順だからですね。漢字といえど、黙読するときには、脳内で音≒仮名での認識が行われます。読みの通りに1字ずつ、脳内で認識することになります。ですので、たとえ漢字で書かれていても「明」と「亜希子」だと脳内で、

「あ」(明か? 亜希子か?)→「あき」(明なの? 亜希子なの?)→「あきこ」(ああ、亜希子か)

という迷いと判断が(無意識的に)行われます。どのキャラなのか、イメージの確定が遅れるわけで、判断と記憶について支障となります。だから、キャラ名の読みの最初の1文字だけは変えておけ、というわけですね。
(ヨーロッパ語風だとカタカナなのでもっとダイレクトに効いてきたり、読みが違うが同じ漢字、ないしは字体類似の漢字も視覚効果も避けるとかあるけど割愛。)

 翻って「リンゴ」と「リンガ」はどうか。最初の2文字は同じで、最後の3文字目だけ変えてある。しかも同じガ行です。ローマ字表記すれば(子音+母音)、RING-OとRING-Aです。RINGまで同じになっている。違いは最後の字の母音O・Aだけ。

 これだと、説明されなくても「リンガ」から「リンゴ」が連想されます。そして連想通り、リンゴによく似た果物となっている。これなら、すっと頭に入りますよね。もしも最初の1文字を変える、例えば「ニンゴ」と言い換えていたら、「リンゴ」が連想される度合いが下がり、覚えにくくなっていたと思います。
(N-INGOとR-INGOで、先頭とはいえ差は子音1つなのに、なぜかそうなる。下手するとニンゴ→ニンジンと連想するかも。)

 つまり、「リンゴ」を「リンガ」と言い換えたのは、実に用意周到な、上手いやり方なんです。固有名詞の変更1つでも、上級者は(意図的か無意識かは分かりませんが)、決して恣意的で分かりにくくなる変更をせず、逆に分かりやすくするコツを使いこなしているわけです。

 一方通行さんも、「リンガ」が印象に残ったからこそ、例として最初にお出しになったのではないでしょうか。上手い手ですから真似て使えばいいと思います。コツはシンプルで「読みの最初の数文字を被らせる。できれば最後の1字だけ変える。母音だけ変えるとベター」だけです。

(念のため。何事も例外はあります。例えば「バナナ」。リンガについての上記コツを適用して「バナノ」、よりはナナという連続の特徴を活かし、「ワナナ」のほうがいいかもですね。固有名詞の読みの何が最大の特徴かを考えるわけです。特に目立った特徴がなければ、上記のコツでいいでしょう。)

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