言葉を変えると、その物語は誰が何をする話なのかということです。
作者である旧蒼占い師さんご自身が惚れこんでいらっしゃるだけあって、御作の中で最も魅力的で存在感のあるキャラはラスボスということになりそうです。だとすると「誰が」、あるいは「何をする」のどちらかにラスボスが入っていなければいけません。「誰が」にラスボスを入れるなら「ラスボスが、類稀な能力をふるって社会を抑圧する権力を破壊しようとする話」。「何をする」にラスボスを入れるなら、「警察官が破壊者であるラスボスに戦いを挑む話」。そんな感じです。
「誰が」にヒロインを入れてもいいのかもしれませんが、設定説明を読む限りではラスボスに直接相対するのは警察官で、ヒロインは彼に憧れているということですからどちらかというと間接的な係わりに見えます。主人公に至ってはそのヒロインの関係者ですから二重に間接的な存在ということになってしまいます。
つまりラスボスを起点にキャラの関係性に着目して物語を俯瞰するなら、重要人物の順位は、
ラスボス>警察官>ヒロイン>主人公
という印象なんですね。
しかし重要度が4番手ではどこが主人公なのか分かりません。なのでこのキャラを主人公らしくするなら、少なくともヒロインと警察官をゴボウ抜きにしてラスボスに迫る設定を考えなければならない。そこに彼独自の主体性が必要で、その局面ではヒロインはサポートする側にまわらせるべき。
主人公であるということは、そういうことだろうと思います。