いちおうTS百合っていうジャンル名もあるので大丈夫。というか作品のジャンルなんて執筆中に気にしなくても、面白ければ正義なので悩むことはないと思う。
べつに普通の百合と差別化する必要もない。FtMはそのキャラがFtMである必然性がなかったら作中に登場させちゃいけないのかと言ったらそんなことはないので。その前提を共有したうえであえてFtMに特有の展開を考えるなら……『質問なのですが、そもそもこれを百合と呼んでいいのでしょうか?』っていうのがまさにそれなんじゃないですかね? つまり主人公のFtM子が普通の女の子と百合関係になるのですが、ここで"これって本当に百合なの?"と悩むわけです。男体持ちのままだったらお相手の子とこういう関係にはなってなかったはずで、これってつまり相手の子を容姿で騙してるのと一緒なんじゃね? っていう不安。わざわざ性転換したメリットと表裏一体だからこそ根が深い。逆にMtF子からカムアウトされた普通の子も、"私はMtF子のことを同性として好きなんだろうか、それとも異性として好きなんだろうか?"と自分の心が分からなくなってしまう。そういうのが順当かなと思った。