タイトル:初めて小説を書こうとしているのですが、どのように書いていけば良いのか分かりません。描写や設定等々、色々とご教授願いたいです。の返信 投稿者: ヘキサ
初めて書くのが異世界転移もの、というのは、なかなか悪くないジャンルだと思っていますよ。流行りか否かというのを置いておいても、作者が書きやすく、小説の入門作として適切だったりするんです。
小説で何よりも大事なのは「視点」です。多くの他の小説もですが、異世界転移ものは特に主人公になるべく視点を合わせることが大事です。
いちばん楽なのは、一人称です。「僕・俺は~」で文章を統一する。原則主人公の見聞きし、感じたことのみを文章化するために小説にとって最も恐ろしい事態「視点ぶれ」を防ぐことができます。
一人称の文体がちょっと子供っぽく思える、という人向けなのが、「三人称一元」です。これは、一人称の主語「僕・俺」の部分を「○○(その人物の名前)」に置き換えたもので、原則一人称と表現する内容は変わりませんが、やや客観的・固めの文体になりやすいです。
どうしても主人公のいないシーンを表現したい、という人向けなのが、「三人称一元のシーン毎の切り替え」です。この場合も、原則登場人物の誰か一人を視点人物と定め、その人の認識に沿って文章を描写したほうがいいです。
漫画・アニメ・映画のように好きな時に視点人物を切り替え、好きな時にその人物の思考を描写するのが「三人称多元視点」「三人称神視点」と言いますが、正直お薦めできません。プロでも失敗する可能性の高い怖い技法です。
異世界転移の多くは、現代人である主人公と感覚を共有し、彼を通して未知の世界である異世界の体験をするのが読者にとっての主な楽しみ方であることが多いため、私としては、上に上げた順番がそのままお薦めの順番になります。ここの研究室の「視点」トピックも合わせてご検討ください。