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タイトル:主人公を苦戦すらさせずに無双させたい!の返信 投稿者: サタン

苦戦させる方法は、いくつかあります。
一つは、ワンパンマンがよくやってる方法ですね。
サブキャラを苦戦させてそれを主体に書き、主人公がやってきて一方的な力で倒して終わり。
ワンパンマンの場合、コンセプトからして「ワンパンで倒す」なので、この手法以外で苦戦を書くとすると「敵が不死身でワンパンでふっ飛ばしても何度も復活する」とか「暴力以外の方法で解決しなければならない問題」といった限られた選択肢しかないため、ほとんどの話でサブキャラの苦戦を主体に書かれています。
同じ主人公最強な話でも同作者のモブサイコの場合は主人公が戦わない選択を貫くために一方的に攻撃を受けたりして苦戦してる「ように見える」書き方で、そうでなくても本当に苦戦してる話もありますが、まあ、作者に実力がなくて一辺倒の展開しかやってないわけではない、という事ですね。
正直同じような主人公最強ってネタでああもレパートリーあふれる展開が出来るのが凄い。

このサブキャラを中心にしたシナリオは、当たり前ですが主人公の視点でそれを書くことが難しいので、必然的に三人称の小説(または視点が動きまくる一人称)になりやすいです。
推理モノなどでは、天才探偵に対して追い込まれる恐怖を演出するため犯人視点で物語が進行するものがあったりします。
その応用で、敵視点から主人公の無双っぷりを書いていく、という手もあるでしょう。
「苦戦する」というのは主観的な問題なので、主人公の無双は敵役からすれば苦戦してるって事ですから。

二つ目は、モブサイコの例でも出したけど「苦戦してるように見える」という書き方。
これは暴力以外の問題、例えば知能犯に振り回されるとか、ペットの捜索など暴力で解決できない問題など、ネタ次第で割と書くことはできます。
ですが、当然のこと「無双モノ・最強モノ」において「その暴力を活かせないシナリオ」となってしまうので、主人公の特徴のアピールは難しいです。
モブサイコの場合は「主人公が戦わないと決めてる」という設定があるので、「敵がどうやって主人公を追い込むか」が主旨の戦闘となり、主人公がキレたときがヤバいという表現でこの「主人公の特徴が書きにくい」というハードルをクリアしています。

「苦戦してるように見える表現」なので、他には例えばストレートに「敵を罠にハメるため劣勢を演じている」とか直接的に「苦戦してそうな展開」を用意してしまえば良く、コンゲームなどではよく見られます。
コンゲーム、つまり騙し騙される頭脳戦な物語では「苦戦してるフリをするという作戦」がそのまま主人公の知能の高さの描写になるので、頭脳戦を主とするギャンブル系の話ではよく使われます。

三つ目は、二つ目と若干かぶるけども「制限を付ける」というもの。
「不殺」などがまさにソレなのでモブサイコの主人公の信念とややカブってるのだけど、よくあるもので、漫画ばっかの例で申し訳ないけども有名所で「るろうに剣心」とか「トライガン」あたりは直球でコレですね。
本当は強いけど本気を出せない制限(信念・トラウマ・仕事の条件)などがあり、苦戦する。
けど、なんらかの条件を満たして本気を出せれば強いので、解決するときは一瞬で解決したりする。
簡易的には、「人質がいるから雑魚な敵に苦戦してる」なんてのが当てはまりますね。
味方がひっそり人質の開放に成功すると一瞬で形勢逆転して敵を圧倒的な力で瞬殺するって展開はよくあると思う。
また、もっとソフトな制限で「敵が所持してるアイテムを無傷で回収したい」とか「スニークミッションだから騒ぎになるような事は避けたい」とか、物語に合った制限を設ければ初期設定に手を加えなくとも簡単に実現可能です。

これらは「苦戦させずに無双させるには」ではなくて「無双もので苦戦のさせかた」なので、望む回答とは違うと思うのですが、無双モノは、極端に言えば単に「主人公の活躍に特化した内容」を書いてるだけなので、別に主人公の強さ自体はあんまり関係ないんじゃないかと思います。
「主人公をどれだけ活躍させるか」という話なので、苦戦はそのためのツールであって、あれば活躍をより深く印象付けられる、というだけに過ぎません。
例えば今アニメ放映してる「転生したらスライムだった件」なんかは苦戦らしい苦戦はせず主人公がいかに活躍するか(活躍してる場面のみ)に終始して、それがウケてます。

しかし、主人公が強すぎてどんな敵でも瞬殺してしまうのだとしたら、ハッキリ言って「主人公と敵の戦闘」は話にならないので、別の「話」を見つけるべきでしょう。
例えばワンパンマンに習って「サブキャラが苦戦し負けそうになる話」とか、「敵の黒幕を見つけ出す過程の話」とか。
「主人公の活躍」をクライマックスに持ってきて、そこへ繋がる「別の話」を考えるのが良いのではないかなと思います。
要するに、「主人公が敵を瞬殺する」というのは物語ではなくて、物語にある問題の「解決方法なだけ」って考え方です。
悪い領主を主人公が倒す話を考えるとすると、「悪い領主と領民」で一つの物語を作って、クライマックスで悪い領主が優勢になって絶体絶命、そこへ主人公が颯爽と現れて瞬殺して解決する。
「物語」は領主と領民で作っているので、話的には問題ないし、そんな都合のいい……と思うかもしれんけど、構造的にこういう話は結構ありますよ。

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