もちろん公害に苦しむ恋人と幸福に生きていくことが主人公の本来の目的なら、公害企業と戦ったり、逆にそこで働くなどという境遇とはすっぱり縁を切って他の地に移り住むというのは立派な選択だとは思います。
しかし、恋人を苦しめる公害企業で働かざるを得ないという皮肉な設定を主人公に与えてしまった以上、それはストーリーを盛り上げるための伏線になってしまっているのです。伏線は回収しないと物語は決着しません。だから後半の展開は、前半で主人公が置かれた皮肉な状況に対する何らかの答えとして読者を納得させるものでなければいけないように思うんです。
新プロットでは、そこが弱いように感じました。