……と一度は書いたものの、あまくさ氏のNo.10を読んで考えが変わった。
たしかにセントラルクエスチョンを『母を取り戻す』にしてしまうと、テーマの『大切な人が死んでも、一緒に生きてほしい』にいまひとつそぐわない印象がある。それに物語のピークがヴィランとの対決じゃなくて母との再会に来てしまいそうな気もするし。
で、過去の質問も踏まえて考えると、構想中の作品には"死者の霊魂を無理に地上に縛り付けておくべきではない"みたいな死生観がある様子。ヴィランとの対決で焦点になるのもそこなのかな、と感じる。つまりクライマックスではヴィランを物理的に倒すだけではなく、思想的にも勝利しなければならないんじゃないかと。
そこから逆算すると、セントラルクエスチョンは「大切な人との別離にどう向き合うか?」だったりしない?
インサイティングインシデントで母親の失踪を経験した主人公が、喪失感を乗り越えて母の不在を受容することで、ヴィラン(=異なる価値観)に打ち勝つ話、みたいな。