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タイトル:目が見えないキャラが総じてベタ目なのはなぜ?障害を持ったキャラの萌える造形やシチュエーションとはの返信の返信 投稿者: 壱番合戦 仁

 アドバイス通り、冒頭を拝見させていただきました。
 とても悲しい物語です。僕が目指す作風に似ています。
 身体的であからさまな愛情表現を避けたあたりに、「それが無くても愛は表せる」という監督の意図がうかがえます。
 僕は昔から、社会が理想とする道徳規範に疑問を持っていました。
 図書館隊と武装検閲組織の構想を通して、国家や世論による過剰な検閲に疑問を投げかける『図書館戦争』、汚い大人によって善い子の型にはめられることを嫌った子供たちが、独居老人の力を借りて廃墟に立てこもって籠城戦をする『僕らの七日間戦争』、無条件に与えられた究極の幸福は人の尊厳を踏みにじることを示唆した『地獄堂霊界通信・幸福という名の怪物』などに親しんできました。

 今回勧めていただいた『レオン』は、【恋愛はどんな人との間でも変わらない】という恋愛の普遍的価値に対する感慨を覚えることが一般の人の受け入れ方だと思います。ですが、この質問と会話の文脈でこれを勧めたということは、そんな机上の空論でしかないおためごかしが仰いたいのではないということですよね?
 
 『レオンにおいては、現状における社会体制の在り方と道徳規範が、二人の愛を阻んで、もたもたしている内に二人は引き裂かれてしまった』と感じました。

>>「あなたに恋をしたみたい」「お腹が暖かい」「締め付けるような感じがなくなった」

>>「そうかい、腹痛が治って何よりだ」

>>「――――」

 間接的ですが、強烈な性表現だと思います。想像妊娠とまでは行きませんが、寝た後のことを自分の事として楽しみにしていたことがわかります。(みぞおちに当てた手を、大事なところの奥の上のお腹にずらすあたりとか)
 マチルダが「いつ頃、初めて仕事をしたのか」という話題の裏に「そのとき大人になれたと実感したか」という話題を潜ませて遠回しにレオンにふったあたりとか。 ・・
 背伸びだとわかっていても「自分は十八歳のころ仕事した」と、堂々と言い通すその強さ。
 ウェイトレスの前でわざと乱暴にシャンパンを注いで、レオンや周囲に見せつけたり、愛するがゆえに、かたくなにキスをしようとしない彼の男性性に訴えかけたり。

 僕もこうした英語的な婉曲表現は大好きです。「ちゃんとはっきり感想を言ってよ」を「ちゃんと」というあたりにセンスを感じます。

 この作品は、先述した作品と扱うテーマは異なっても、同じことを教えてくれます。
 あざらしさんが興味を持ちそうなところでいうと、以下があげられるかと存じます。
 
 「中学生が妊娠して男に逃げられるのは、そもそも社会体制や世論、両親親族が彼ら夫婦を受け入れるつもりがなくて、この先二人で乗り切れないことを彼女の彼氏が解っていて、逃げるしかなかったのでは?」とか。
 「そもそも我々人類は、アロペアレンティング(生まれてきた子供の世話を同じ部落の者同士で分担する)する生物だったことが、伝統的社会を研究する過程で明らかになった」とか。
 「ならそもそも、現代社会にアロペアレンティング制度を採り入れて、諸々の制度を改善すれば、(子供の正常な発達が望めないとしても)ある程度の年齢に達した少女の妊娠は許されるのでは?」とか。

 「日本の義務教育を妄信する大人に唯々諾々と従って、人生を見失った子供たちに、我々大人はどう責任を取るつもりなのか。また、それに付随する精神病やいじめ、また、諸々を原因とした自殺問題の今後の対処とは?」とか。(地獄堂霊界通信・またはぼくらの七日間戦争シリーズより)

 「多くの宗教が掲げる【究極の幸福】は、それ自体が人間が求める最高の到達点ゆえに、すべての人間から体験や成長、試練といった『過程』の一切を奪い取る。ゆえに人の尊厳を踏みにじる恐れが大いにあるのに、どの宗教の信者も何故それを危惧しないのか」とか。(地獄堂霊界通信・幸福という名の怪物より)

 「人を殺さなければ生きていけない人が仮に居たとして、司法はそれでもその人を裁けるか。また裁いた場合、その人の存在の根底を否定してしまうのではないか」とか。(拙著、白きエルフに花束を より)
 「文明社会とは全く違う部族社会に属する人々を、司法は裁いていいのか。マイルールの押し付けと同じレベルにならないか」とか。(とあるドキュメンタリー番組より)

 「青少年の育成に同性愛を奨励するとまでは行かなくても、避妊技術をもっと推し進めて、思春期でも本格的な恋愛と幸福を追求できるようにすればいいのに」とか。(新世界より 貴志祐介/著 より)

 疑問は尽きません。「レオン」はそんな僕の大切な疑問の一つに、形と命を与えてくれました。

 古来から子供が大人になったと認められるには、元服の試練を乗り越える必要がありました。本人の心の生育次第によっては、元服が早められたこともあるでしょう。本人の心の年齢に合わせた親切な制度として、我々現代人も見習うべきだと思うのです。

 翻って、近年の小学生高学年の性生活を見聞きすればたちどころにわかりますが、もはや彼らが異性を知らない純真な子供たちであるというレッテルはただの妄想となりつつあります。
 僕の元カノは小学五年生のころに処女を喪失しています。ですが、意外なことにコンドームの使用や、愛撫の仕方など、一通りの知識はあったので苦労はしなかったようです。
 これでは大人たちが躍起になって、やれ「十八禁だ!子供が見るモノじゃないっ」だの、「あなたには早いよ。ボ・ク・ちゃ・ん♡」などと喚いているのが虚しくなりますよね。

 社会を見回してみると、「本質的に精神が子供のまま成長できていないのに、二十歳だからと大人になったことにされた子供(ニートや引きこもりの一部の人たち)」や、「とっくに大人になる準備が整っているのに、まだ思春期だからと成長の機会をつぶされ、非行少女や非行少年扱いされている人々」があまりにも多すぎる。

 僕はこれから先の人生を、これらの疑問の探求に費やすつもりです。
 あざらしさん。貴方様が勧めてくださった作品は、確かに僕の人生の楽しみを増やしてくれました。

 あざらしさんが、興味のありそうなきわどい問題をピックアップしてみたのですが、良ければどうでしょう。
 今後も個人的に、こういった話をしてみませんか?もし、あざらしさんが何らかの小説を執筆なさっていらっしゃるのなら、お力添えできるかもしれません。そうでなくとも、僕の視点に興味があるならば、きっと有益な会話を交わせるはずです。一度、なろうのメーリング機能で連絡してみてください。
 ユーザーアカウント名は、「竹牟禮基」です。作者名は「壱番合戦 仁」です。

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