(No: 5の続きです)
3.感情以前にリアルタイムかつ確実に状況を伝える必要がある
何が起こっているか、読んでいてリアルタイムで絵を想像できないと、キャラの気持ちを想像するどころではありません。
作者がイメージしたことを全部書いてしまうと冗長になりますし、情報過多で読者は覚えきれません。覚えられないものは感じることもできません。
しかし状況全体はイメージしてもらいたい。そういうときは「読者の引き出し」を使います。読者が持っている知識のことです。
二次創作を二次創作として読んでくれる読者なら、元ネタは分かるはずです。そういう読者向けと割り切るなら、原作にあるものは名前だけ出せば分かってもらえ、描写する必要はないはずです。
原作を知らない読者も引き込みたい、あるいは二次ではなくオリジナル作品であっても、描写は最低限にすべきです。ファンタジー作品も盛んになってから長期になります。飛竜とかワイバーンなら、読者は知っていると割り切ってしまうのも手です。
イラストなし前提の小説は言葉でしか表現できません。言葉は非常に情報量が少なく、作者がイメージした絵を再現できないと知るべきです。そこを埋め合わせできるのが「読者の引き出し」です。読者を操作しようとせず、頼ってみることも必要です。
(終)