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タイトル:他人に影響を受けやすいタイプは、黙々と書き続けるべきか?の返信の返信 投稿者: 桂香

 おそらくこれから私が言うことは今回、サタンさんに便乗の形となります。
 思うに、人物よりかは展開や出来事の場合で悩むことも案外多いのではないかと思います。あるいは、ネタの種になる「物」が被ることで悩んでしまう……みたいな感じでしょうか。
 例えば、少々偏ってしまいますが、「女性同士の頂上対立があり、水の女神(女帝)を称えて洗剤を飲む」ネタ2つで考えてみましょうか。前者は「この素晴らしい世界に祝福を!」から主人公視点要約。後者は同じくクズ主人公異世界転生モノの没案リサイクル。一応女帝料理人とでも言っときましょうか。

★ この街に来てから、アクシズ教徒とかいう連中に追い回されている。みんな親切なんだけど、隙あらば勧誘している。ライバルのエリス教を目の敵にしすぎていて、豪放。良くも悪くもラクな方に身を流している。そして皆、特に幼女まで取り憑かれたように目がヤバい。
「アンデッドにやられてステータスがダメになっても、洗剤を飲めば一瞬でなおるよ~。しかもこれね、食べても大丈夫なの!天然素材で神聖だから!入信したらもらえるから!タダだからぁ!」
「 い、いらないっ!」
 俺がいくら手で押し返しても走って逃げてもこの人は追ってきた。
「今ならポイント2倍だから、タダだからぁっ!」
 ハアと子犬のように荒い息を立てて、契約を迫る。洗剤だけでも貰ってくれといわんばかりの食い下がりようだった。
「さあ、邪神エリスを払うため、アクア様の祝福を――この書類にサインを……お願いします」
「やめてください! というかいらない! どうなってるんだここの人たちは!」
 
★ この国の人たちは正直味覚が狂っていると思う。味の薄いスープにシャンプー混ぜたとしか思えない。ニョッキはほぼ粘土。総合すれば、固体石鹸を溶かして飲んでいるようなもの。
「味はどうだ? 女帝ツユリ陛下」
 彼は唯一、私にタメ口を許している。私は苦笑いで対応したものの、古代ギリシャ風味の大変崇高な味に辟易。伝説によれば有史以来、水の女神ターヴォエアをたたえて毎月飲まれているものだとか。
「ハチミツの甘さが濃厚で、パクチーの香りがとても冴えますわ。トイナウス騎士団長。シェフにもよくお礼を言ってくださいね」
 にこやかにほほ笑むものの、鈍感なトイナウスは顔の青ざめ具合に気付かなかったみたいだ。せめて毒とか思えよ。サブカルとか、演じるとか陰謀とか大好きな歴女だからって自分を強くみていたけど、現実はそうでもなかった。
 我らが祖国の恵みを一点に凝縮した、英知の結晶。こう言える奴は、口先がひん曲がっているに違いない。
「このままでも大変おいしゅうございます。しかし、英雄革命以降、市井の様子や考え方も変わりました。我らが料理も更なる高みをめざしませんこと?」
「それは……そうだけどよ、案はどうすんだ?」
「ここに、政務の合間のレシピの草案があります。今すぐシェフを呼んで、これを作らせなさい。そして、ここに有識者を集わせ、お披露目パーティをしなくては」
 味覚というのは案外バカにならない。敵の懐に入ってなお毒が入っていないことに安心感を覚えればこっちのもんだ。向こうは相互監視社会だから、ピリピリしすぎなんだ。そこを突けばいける。偽女帝のミネアなんて、絶対に引きずり下ろすんだから!
「王立のスパイが帰ってきました。策はそれ次第ですね」
 次女のマリが喋った。私は優しい笑顔を極力作って、少しだけ肯定した。そして、玉座の間に通したスパイの報告を見て、布石がじわじわと効いているさまを眺めて、更に不自然に吊り上がった口の端でマリの考えをなぎ倒す。
「大丈夫ですよ。お兄さんは帰ってきます。殉死したとしてもご家族の保険金は保証いたしますので」
 これで、癇癪持ちのマリが絶望して暴走すれば、鎮圧した私の武功も上がるというもの。
 

 先ほどの特徴的な「女性同士の頂上対立があり、水の女神(女帝)をたたえて石鹸を飲む」の二例。前者はアクアという女神を称えるアクシズ教徒としてのヤバさを際立たせる描写。後者はもとからメシマズ地域の改善ついでにライバルや邪魔者を引きずり下ろす描写。同じ素材を使っても、意義が違えば別の作品とちゃんと判断されます。それも、あちこちから引っ張ればなおさらです。
 もちろん、特徴的なところ(たった数か所)から同じ素材をたくさん引っ張ってきたら問題です。ドラクエや悪役令嬢なら腐るほどあるのでその上にかぶせたところでテンプレだから悪いことではないと思います。
 偏りが強いところといえば……ドラゴンボールだったら、西遊記キャラ、戦闘民族のエイリアン、冷たい帝王、現在ツンデレで三枚目の凛々しいライバル、まあいっかな戦闘狂主人公、力の大会メイン……その他細かいところもそっくりみたいに大半被っていたら擁護は難しいかも。
 そうならないためにも、どこから引っ張ってきたのかさえわからないぐらいたくさんの「パクリ元」を読んだ方がいいと思います。積極的にパクれというのは、手法を身に着けるだけでなく、分散させる意味合いもあると個人的には思います。
 あとは普段読者が読まない新書などで珍しい知識を身に着けて差異を出すという方法もありますが、衒学に食われることもありますので、程々をおすすめいたします。

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