>どうやったら、きちんとお話を背骨が通ったものにできるのか?
ごく簡単に説明するなら。
1)物語を序盤・中盤・終盤の3つにわける。
2)序盤=主人公の第1状態、中盤=主人公が経験する出来事、終盤=主人公の第2状態、と考える。
中盤で何か経験することによって、主人公が第1状態から第2状態に変化するわけですね。変化の方向性がポジティブなら主人公が「成長した」ということになりますが、悪い方向に変化するストーリーもありです(バッドエンド型)。
3)成長型なら、序盤と終盤に対になるエピソードを作り、序盤ではできなかったことが終盤ではできるようになったという形にするとわかりやすい。
4)中盤のストーリーは、「主人公がこういう経験をした結果、序盤でできなかったことができるようになった」という因果関係をきっちりと意識して作る。
まずは、こんな感じですが、これだけだとちょっと単純すぎて面白くありません。「何かができなかった」→「何か経験した」→「できるようになった」の流れがストレートすぎるんです。
そこで一工夫。中盤の流れに起伏をつけてやります。
どうするかと言うと、
5)中盤をさらに2分割する。
6)序盤で示された課題を中盤1で一応乗り越える。しかし、それは完全な解決ではない。主人公の未熟ゆえに間違った方向に努力してしまったか、間違ってはいないにしても他人の助けを借りてどうにかこうにか課題を切り抜けたのか、そんな展開にする。
7)6の結果、問題が一旦解決したように見えても、その後何らかの陥し穴に主人公は落ち込む。そして、中盤2で最大のピンチに直面する。
8)これまでのすべての経験を生かして、「たった一人の力」でピンチを克服する方法を発見する。
主人公一人の力で、ということがけっこう重要です。仮に他のキャラの助力を得るにしても、中盤1ではその助けに頼っていたところを、中盤2~終盤では大きな決断をしたり局面をリードしたりは主人公にさせるのが大きな違いです。
9)終盤で本当の解決に至る。
10)伏線の検討。
1~9の流れがうまくつながるように考えながら、序盤と中盤1に伏線を散りばめていきます。
ポイントとしては。
中盤1は不十分な解決への道、中盤2は本当の解決への道であることを意識してください。
そして、中盤2で主人公に何をさせるかが物凄く物凄く重要です。
ちなみに、だいたいこんな感じのストーリー構成法を「ハリウッド式三幕構成」といったりします。