迷える狼さんの回答
それでは、私なりの答えと見解を申します。
>・話にある突っ込みどころや矛盾を気にする方ですか?(「熱膨張って知ってるか?」とかです)
映画だと、「矛盾しているけど、あえて演出の為にそうする」という事があります。
有名な「2001年宇宙の旅」では、「美しき青きドナウ」に合わせて宇宙ステーションを回転させるという、あえて実際とは矛盾した演出を採用しています。
ですが、その他の場面では、きちんと科学的根拠に沿った演出がされています。
私は、矛盾と言うより「ご都合主義」を嫌います。「運が良かった」というだけで、それまで積み上げて来たもの全てを、容赦無く木っ端微塵に破壊してしまうからです。
また、ある程度矛盾しても面白い話を書く為には、「魔法」「超能力」「異能力」「超技術(オーバーテクノロジー)」など、架空のファクターを持ち出せば良いと思います。
>・自分自身の書いた過去最高の自信作に、流し読みしなければ知識も必要なく誰もがすぐ分かるレベルの非常に重大な突っ込みどころが見つかり、しかしそれを変えてしまったら物語の根幹が破綻しかねないものだった場合、貴方はどうしますか?
書き直すか、いっそ破棄しますね。私の場合、物書きとしてのプライドが許しませんから。
そもそも、その様な間違いは修正出来る限度を越えています。「化石燃料が枯渇した世界で、主人公がガソリンエンジンの自動車に乗っている様なもの」です(あれ?どっかで聞いた様な……?)。
どうしても書きたい場合は、許される範囲でご都合主義を持ち出します。
「実は主人公はある専門分野のスペシャリストで、ガソリンの代わりに特殊な配合を用いた合成ガソリンを使用している」など。
>・あなたは魔術や超科学のトンデモ要素が一切ない近未来ハードSF小説を書いていたとします。科学知識から見て明らかに間違っていることを知っていて、物語の設定にその間違っていることを入れようと思いますか?
例えば「人間の脳は10%しか使用していない。100%使ったら…」等です。(実際はフル活用しています)
「北斗の拳」で有名になりましたが、「人間は実際の能力のうち30%しか使用していない」は、本当です。
常にフル活用していたら、人間の体はその負荷に耐えられません。だから、リミッターが設けてあります。
「火事場の馬鹿力」は、危機的状況に陥ってそのリミッターが解除された状態です。
また、SFC「G.O.D 目覚めよと呼ぶ声が聞こえ」では、シナリオ上、30%しか活動していない脳のリミッターを解除して行き、新しい能力を開発して行きます。
「キン肉マン」では、「火事場のクソ力」として、主人公キン肉マンの潜在能力的扱いでしたが、キン肉マンが「人を超えた超人である」という設定があるから成り立ちます。
また、アスリートは意図的にこのリミッターを外すトレーニングを行っていて、試合の時だけ通常以上の力を発揮しやすい様にしています。
それと、近未来ハードSFと言う事は、今より未来の事を描く訳ですから、どうしても想像で書かないと行けない部分があります。
全く未知の事を書くのに、それが間違いかそうで無いかなんて、解りません。
それに、専門知識が無いと書けない事もありますので、正しい知識を全て把握するのは、かなり困難かと思います。
「スペースシャトルの軌道計算」なんて、普通の人間には無理でしょ?w(アニメ「ビリケン」では、世界一難しい数式として、学校の先生がガリ犬に出題していました。そして、これを解かれた先生は、「これより難しい問題は、わしゃ知らんよ」と言っていました)
宇宙飛行士の試験なんて、誰にでも受けられるものでも無いですし、ましてやロケットの製造法なんて、普通の人は知りません。SFというのは、解らない事だらけなんです。
トンデモ要素を排除しようとしたら、前述した架空のファクタ-を持ち出して、矛盾が出ない様にするしかありません。
ただし、「何の対策も取られていない普通の道路に100t戦車を走らせたらどうなるか」なんて事くらいは、誰でも容易に想像がつくでしょう。
2016/05/30(Mon)