作者の感情・登場人物の感情・読者の感情を区別した方がいいという提言には同意します。むしろ、それが当然でしょう。
>そのどちらにしても、作者は登場人物に感情移入するべきではないでしょう。
>するとしても、それは敵役のほうです。
このご指摘の1行目もわりと同意見。ただ、敵役には感情移入してもよいという見解が付随しているところが興味深いです。
論理的な説明が無いので若干「なんで?」と思わなくもありませんが、実践的にはうなづける点があります。
主人公は物語の軸を担う存在なので、そこに作者の想い入れが入りすぎると作品全体がグダグダになりかねません。
それに対して、敵役というポジションなら客観的な視点とのバランスが取りやすいのが一つ。
それともう一つは、あくまで経験則ですが敵役に魅力がある作品はヒットしやすい傾向があるようです。
作品中に盛り込む「感情」は取扱注意の危険物とは思いますが、うまくコントロールして使う分には大きな効果を発揮することもあるので、一概に排除するものではないと思います。
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なお、なろう的な「主人公にとって都合の良すぎるストーリー」がわりとお嫌いなのかなと見受けられますが。
あれは必ずしも作者が主人公に感情移入しすぎることによって起こる現象ではないので、注意は必要かと思います。そういう展開が読者受けしやすいと冷静に計算している作者も多いはずです。
エンタメの場合、計算の上に立って行い、効果が出ているのであれば、正しい方法なのだと思います。