少年マンガ的なストーリーの場合、主人公の背景はシンプルな方がいいんですね。主人公に複雑な背景を設定すると、読者が理解するのに時間がかかってしまうのでかえってマズイんです。
それでいて主人公を空気にもしないためには、本編ストーリーの中で活躍させればいいのだと思います。
それに対して敵役の背景は複雑な方がいい。
読者が敵役を理解したり同情したりするのはストーリーのラスト近くでもかまわないので。悪一辺倒に見えた敵役に同情すべき過去があったと明かされる流れは、うまく使えばかなり効果的みたいです。
あと、敵役に対しても「作者」はやはり感情移入しすぎない方がいいと思います。冷静な判断ができなくなるおそれがあるので。
「感情移入」というのは、あくまで読者にそれをうながすものです。
よって。
1)作者は、主人公にも敵役にも感情移入してはならない。
2)読者も、主人公に感情移入する必要はない(!)
読者は、ストーリーを通して主人公の行動に乗れればよい。
3)読者には、敵役には感情移入させた方がよい。
これが、私としての結論になりますかね。
ただし繰り返しますが、あくまで少年マンガ的ストーリーの話です。
例えば少女マンガの読者には、主人公の微妙な心理の揺れに感情移入することを好む傾向が見受けられます。