イメージを、イメージのまま出力しようというのは大変なことです。
私は、わかりやすいかなと思ってよくイラストや漫画を例にあげますが、
イメージどおりに絵を描こうと思えば大変です。上手く描けないし描いてるときは良くても一度立ち止まって全体を見てみるとぜんぜんイメージに届いていないなんて事はよくある事でしょう。
じゃあ、イメージどおりに描けるには画力を上げれば良いのだと考えるけど、イラストならそれでいいけど、漫画だと絵だけ上手くても漫画は上手くならない。
何故なら、イラストはその一場面だけを綺麗に表現するものだけど、漫画は物語って大きな枠組みの表現になるから、表現するモノ自体がけっこう違うためですね。
例えば、イラストは盆栽みたいなもの。一本の木を丁寧に綺麗に育てる。漫画は森を管理するようなもの。全体を整えるから一個一個はあまり重視しなくてもいい。
イメージ通りに物語や文章を出力しようとしたら、イメージ通りのイラストを描くように結構な技術力と経験が必要です。
日本語は誰でも書けるし、ラノベやWeb小説を見ると大した文章力でもないから初心者でも出来そうと思えるけど、「イメージを形にする」というのはどんなジャンルでも大変な事です。
何をどうすれば良くなるって事じゃないです。必要なのはひたすらに経験でしょう。
ただ。
我々がやってるのは「イラストを描くこと」ではなく「漫画を描くこと」に近いんだって事を理解して欲しいと思う。
必要なのは文章力ではなくて、表現力なんですよ。
だから、センスがある人は経験が薄くてもサッとやっちゃうことがある。表現の旨さは文章や技術でカバーすることは出来るけど発想の影響が強いからね。
絵が下手でも面白い漫画ってあるでしょ。ストーリーが良いってのもあるけど、その「良さ」を上手く表現できる表現力があってこそ良さが読者に伝わっているので、
言い方を変えると、ストーリーが大したことなくてもその中で作者が面白いと思う部分・良いと思う部分を強く表現できて、それが読者に伝わっていれば、総評として「良かった・面白かった」という感想になる。
良かった部分の印象が強く残ってる結果になるからね。
例えば話自体は大したこと無い日常系のストーリーなんかは表現が全てだよね。
かなーり遠回しになってしまったけど、まあ、ハッキリと言ってしまうと、
>書いていくうちにこの書き方でいいのか、冗長になってないか、内容が滑ってないか等悩んで書いたり消したりを繰り返し、結局全然書けないまま終わってしまいました。
スレ主さんは初心者なので、考えるだけ無駄です。
考えるって行為が有益になるのは、考えて良い回答が得られるだろう経験を積み技術や知識を得た後でしょう。
そもそも物語的に何が「良い」のかの判断すら出来ないのが初心者なので、良い回答が得られるわけがない、という考えです。
であれば、好きに書くのが一番です。
好きなことを好きなように書けば、それが一番「作者が良いと思ってる部分を強調して書く」に繋がると思うためです。
書いたら、出来れば身近な人間に読んでもらって感想を貰ってみましょう。身近にいなければこうした掲示板で誰かが助けてくれるでしょう。
そして、その感想と作者が意図した「良いと思ってる部分」とのズレが、いまスレ主さんに足りない物です。
ですから、いまは下手にあれこれ考えて悩むよりも、とにかく書くことです。
内容がスベってるかどうかはどーでもいいです。
スベることを恐れて舞台に立たない芸人が、まともに客を笑わせることなんて出来ないでしょう。
スベっても小説って形になってるほうが何倍もマシ。
そうした迷いがあるから筆が止まってしまうだけで、迷いなく書くことに集中すりゃスルスル書ける。
そして、すでに長くなったから割愛するけど、そうした迷いを最小限にするために事前にプロットを作ったりするものです。
プロットが上手く機能してれば少なくともストーリーや展開に関して執筆で悩むことは無いですから。
といっても、まあ、悩んでる人に悩むなって回答はあんまりだと思うので、いま出来るだろう事を書いておくと、
今回書かれてる作品の、一部だけを掌編に再構成してまとめてみると良いと思います。
「1メートルの直線を歪みなく描け」と言われたら大変だけど、「1センチの直線をフリーハンドで書け」と言われたら、まあ出来ないこともないでしょ。
小さい範囲小さい規模ならイメージをそれなりに出力できる事も多いので、まずは掌編などで感覚を掴むのも良いかもしれないと思います。
イメージとしては4コマ漫画みたいな感じですね。大した内容ではない、ただキャラが何かやってすぐにオチて終わり(大した内容ではない事が大事)。
それが出来たなら、
その掌編に、次は設定を盛り込んでみると良いと思う。
例えば「主人公は武道の達人で強い」とすると、「主人公は強い」という事がわかる内容の掌編を書いてみる、という感じ。
そこまで出来りゃ「表現」に関してはイメージを出力するだけの力量があると思うので、それでも書けないのだとしたらあとは作者の考え方の問題だと思う。