ひょっとすると、ご質問の趣旨からは少しずれた回答をしてしまったかもしれません。
>まだその暗黙のルールがあるのであれば、
ルールではないですが、小説の基本をマスターしているかどうかの「指標」として使われることはあるようですね。
新人賞ではシロウトの作品が大量に送られてくるので、少なくとも1次の段階で丁寧に読んでもらえるということは期待できません。雑な流し読みで、書き慣れているかどうかを手っ取り早く判断する手段としては、視点の扱いが安定しているかどうかは目安にしやすいのかもしれません。
そして、こう考えても「プロならば許される」という理由の一つが見えてくるのではないでしょうか?
プロならば、「この作者の作品なら基本ができていないということは有り得ないし、今読んでいるパートがイマイチでも先まで読めば面白くなるはずだ」という信頼感を持ちながら読んでもらえます。その点において、少なくとも新人賞の1次作品とは天と地ほどの差があることは確実です(扱われ方がです)。
なので、
>既存の作品には視点変更が多いような気がします。
この状況も、きわめて当然と言えます。
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色々な意味で、「視点変更NG論」は本質論ではなく、選考者の心理まで読んだ上での実践論です。そして現実にはそこを軽視できないのも事実。
別に無理して実例を探さなくても、そういう諸事情を分析して戦略を立てればよいのではないでしょうか?