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タイトル:アイデアに詰まってタロットを使う人なんているのかの返信 投稿者: 手塚満

結論から先に申しますと、タロット占いの創作への応用は有効なこともありますが、スレ主さんのお悩みについては、まだ使用すべきではありません。選択肢まで絞り込めたらタロットも有用、しかしアイデア出しには無効です。以下、多少説明してみます。

古代ギリシアの将軍(誰か忘れました、サラミスの海戦でのテミストクレスだったか?)が、占いで戦術を選択し、快勝したことがあるそうです。その戦いでは決戦の場所として2候補あり、ギリシア諸将の懐疑で最善と思われたほうに決まりかけたものの、ある将軍は占いを信じて別のほうを選択、結果的にそれが正解だったとのことです。

もちろん、後世の脚色、美化等が入っていることは間違いないでしょう。が、その将軍も事前に(孫子ばりの)調査と戦術シミュレーションを行ったようです。しかし、確信までは持てなかったところ、占い師の曖昧な予言にインスピレーションを得たらしい。

占いはそんなもんです。何をしていいか思いつけていないときには効果が薄い。しかし、あれかこれかまで絞り込んで、しかし決しかねるときに使えば、効果が見込めます。これは、

A. あれかこれか迷って決めかねるなら、実はどちらでもいい。
B. 悩む問題にあえて無雑作に枠をはめてみると、情報が絞れて答が見えてくることがある。
C. 考えに考えた上で、能動から受動、緊張から弛緩に移ると、はたと思い当たることがある(三上:馬上枕上厠上の類)。

といった理由、現象があるからです。いずれも、前提として「事前に問題を具体化し、悩みに悩む」という事前条件があります。小説執筆においても同様です。

タロットは、ある相談者1人のピンポイントな問題に特化して、相談者の問題の原因や、今後に起こること、各選択によって起きそうなことを占い師がカードの意味という枠を頼りに、ストーリーをひねり出して相談者に提示するわけですね。
(ストーリーをひねり出すという点が大事。カードの意味だけ説明しても、曖昧過ぎて何も分からない。タロット占い熟練者はストーリーテリング・シーン描写の名手ともいえる。)

ですので、作者が小説中のキャラに「こうさせるか、それともあっちか」と悩んだとき、タロット占いを試みると、選択肢ごとのストーリー進行例やシーンを具体化しやすくなります。肝心なのは、ストーリー中でピンポイントに詰まったところに使える点です。曖昧なことを具体化する機能はありません。

普通の悩み相談でも同じですよね。相談者が死ぬまでに起こることを時系列に示してくれたりはしない。自分が生きる意味、なんてことにも答えてくれない。例えば、就職でA社とB社に内定貰ったが、どっちがいいか、みたいなことしか占ってくれません。占い結果はたいてい「A社がいい」ではなく、A社ならこうなる、B社ならこうなる、というものになります。

創作へのタロット応用も同じです。薄っぺらい、と漠然と感じても、タロットで原因を思いつくことはできません。『なんでこのヒロインの力一つ(一人)にだけ頼る状況になったのか』も同じです。ヒロインの力一つに頼る理由として、AとBがある。Aならどうか、Bならどうかをタロットでシミュレートすることならできます。でも、タロットはどっちがいいかは示せません。作者(占い師)が判断するしかないのです。

スレ主さんのお悩みはアイデア出しの段階のものであるようです。思いつかないことを占ってみても、何も思いつけない可能性大です。ですからタロットに限らず、占い的手法を試みても効果は薄そうです。タロットを使うなら、少なくとも物語の分岐が起こる選択肢までは思いつけている必要があります。

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