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タイトル:伏線の回収率についての返信 投稿者: サタン

伏線は全て回収すべきですが、これはおそらくその「回収のしかた」の問題ではないかなと思います。
例えば、何らかの事件の黒幕があったとします。
「黒幕はAだ!」と明示するのが一番わかりやすい回収のしかた。
一方、「あのときAはこういう発言をしていた」「Aの仄暗い過去が垣間見える資料が見つかる」「黒幕と思われる人物と同じ身体的特徴があった」と、Aが黒幕であることを示唆するのみで明示しない、というのが読者に投げかける回収のしかた。
後者の場合はもちろん程度があって、「黒幕と思われる人物と同じ身体的特徴があった」なんてのは考えるまでもなくAと黒幕を繋げる要素なので、ミスリードにも使われるけど難易度は低い方。つまり読者としても頭をあまり使わなくて済む。

まあ、要するに伏線に対し「答え」を書くか「ヒント」を書くかの違いで、後者の「ヒント」の場合は「わかりやすいヒント」というヒントの程度もあるし、一個で答えが出るわけではないので多くのヒントを書くことになる。その数の多さ少なさも関係してくる。

で、基本的に伏線は全て回収すべきものなので……
……えーっと、それについても少し書くと、回収しない伏線はそもそも出す必要がないので、例えば序盤で「銃」について印象づけてるのに殺人現場には銃がなくて結局犯行に使われた凶器も銃ではない、となると、じゃあ最初の銃エピソード必要あった? ってことになる。
これはキャラの性格描写や過去エピソードの紹介なんかも同じで、そもそも回収しないなら出す必要がない、すなわち回収しないなら出した事それ自体が作者のミスってことだと思う。
だから、基本的に全て回収する必要がある。

でも回収してない作品もけっこうあるじゃん、って事は前述した通り、それは「ヒント」という仕方で回収してて「答え」という形で明示してないだけ。
だから「考える余地がある」わけで、これは伏線回収してないわけではないし、意図的に回収放棄して読者の思考にお任せしますってわけでもない。

裁判や刑事ドラマで「直接証拠」と「状況証拠」って言葉聞いたこと無いでしょうか。
直接証拠は「Aが被害者を殺害した映像」とか直接的な証拠。
状況証拠は「Aが被害者を殺害する可能性がある証拠」例えば「現場に指紋がある」とか「犯人と同じパーカーを所持している」とか「Aは被害者を憎んでいた」とか。そういう状況証拠が積み重なると、直接的な証拠がなくとも「Aが犯人である」と断定できる。
この裁判の事例を創作に当てはめると、つまりは「状況証拠の積み重ね」が「読者の考える余地」に繋がる。
「Aが犯人である」と断定できるほどのヒントが作中で書かれていないのに作品が終わってしまえばモヤモヤしか残らない。
断定できる(仮説を立てられる)だけのヒントがあって、はじめて読者は考えることができる。

なので、私としてはソレが『読者の考える余地』の範囲と答えるけど、これってまあ結構作者それぞれの感性によって違いますし、それとは別に、作品が持ってる事情が関係してきたりもしますからね。

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