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タイトル:『映画でいう撮影技法と同じ視覚的効果をあげている場面』が多く見受けられる小説が知りたいですの返信 投稿者: サタン

文章だけの小説で視覚的効果ってなんぞ? と、私もよくわかんなかったんで返信を躊躇ってたのだけど、そういうことか。
要するに動的・映像的な作品を、ってことか。

まあ、横からだけど、読むせんさんが言ってるのは媒介の違いによる表現の違いを言っていて、好みや信条の問題じゃない。
文章のみの小説は視覚的表現が不得手だから、対して心理的精神的描写表現が得意だから、小説って媒介の得意なところを上手く使った表現をしていた。
単に映像を文章化する(あるいはその逆)のではなく、文章に適した形に変更されていた。
という話。

漫画は、たしかに元々は動的表現がなく単調な作品が多くて、えっと手塚治虫だっけ、その時代に動的な表現が取り入れられてスピード感がある漫画表現が生まれてきた。
でも、もともと漫画は視覚情報で読み取る媒介だから「映像」を「一枚の絵」に表現することが可能だったわけで、その創意工夫をしてきた漫画家たちは凄いし尊敬するのだけど、じゃあ同じことを小説でやりましょうってなったら話が違うのよ。
なぜなら、小説には視覚情報がないから、同じ物語を作ってるようでいて、表現方法自体はまったく別物だからです。

とはいえ、情報がまったくないわけではないし文字情報はあるので、それを頭の中で映像に変換して読者は作品を読んでいる。
つまり、映画の「映像」や漫画の「絵」というものに相当する小説の「何か」は、これは読者の頭の中にある「イメージ」で、作者の手が及ぶ場所にはない。
なので、「イメージしやすくする」という当たり前の話になってしまうかと思います。

そしてこれが一番大事なのだけど、結局のとこ読者のイメージ次第なので、万人の読者に「同じイメージをしてもらう」というのはほぼほぼ不可能だと思ったほうが良いです。
例えば「子供たちは小学校の教室で、担任の先生が来るのを待っていた」と、この場面をイメージしてみてくださいな。
たぶん、「スレ主さん(読者)が通っていた母校の教室」をイメージしたのでは?
読者は「イメージしやすいものをイメージする」ので、そのチョイスは人によって違うわけですね。

で。
ようやく本題の映像的な作品だけども、まあ正直、一般文芸ならどれもこれも1ページ目から映像が見えてくるものばかりだと思うけど、個人的には宮部みゆきが出だしからわかりやすい情報を書いてくれるのでイメージしやすい。
ラノベではスレイヤーズの神坂一が非常に「見え」やすい。
当時から文章力についてガキっぽい感じな事言われてたけど、スレイヤーズは文章力ではなく表現力が凄い作品なので、「撮影技法」とは意味が違うけどスレッドタイトルの回答になる作品かなと思う。
ほぼ主人公の独白な感じの一人称視点なのにモブの山賊の表情までイメージできるし、単行本一冊で出会いから魔王討伐まで書ききる構成力も凄え。

えっと。
ちょっと遠回しすぎたかなと思ったのでハッキリ書いてしまうと、
これって要するに「イメージのしやすさ」って話なので、「文章のみの小説としての得意分野」で考えず「映画では……漫画では……」と考えるのは、これは罠。
気持ちはよく分かるし他分野の技術を小説に応用することはとても良い挑戦だと思う。
けど、小説で一番表現しやすくイメージさせやすい方法はあくまでも「文章表現」なので、この得意分野でまず考えたほうが良い。

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