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タイトル:新人賞応募の際の序盤の展開についての返信の返信 投稿者: ヘキサ

s.s.さんはノベル道場でしっかりやりとりなさっているので(いろんな意味で大丈夫な人だろうと思っていたので書きこんでいなかったのですが)、いちおうお話を伺おうかな。

>一つ目、新人賞で序盤からテンプレを使って良いのか?(個人的にはダメだと思ってる)

ダメだとは思っていませんが、+アルファが欲しいと思っています。このプロットの場合、主人公の六本指に何か意味深なものがあると思わせれればアリだと思いますが、後の展開から推測するにあまり関係していなさそうなので「そこちゃんと考えているよ」ということであればいいのでは、と思います。ただの迫害の理由づけでしかないのであればダメだと思います。

>二つ目、このプロローグの完成度はどの程度か?(情報量が少ないですので、面白いか否か、ニュアンスで結構です)」

正直、ありきたりです。「親が殺された」のほうは構わないのですが「ヒロインが親の仇と思い込む」のほうがありきたり度をいや増している感じです。さらに「実はそうではなかった」の結末で気落ちしました。短編であれだけ冴えたオチを示しているs.s.さんの作風を先に知っていると「内容が無難に長編向けすぎる」「もう少しオチのほうに意外性が欲しい」などと欲張った要望を出したくなってしまいます。

>三つ目、親が序盤に死ぬ以外の他のショッキング展開を知りたい!(できればこのプロットに合致するような内容)

ドイツでヒットした児童文学「海賊ジョリーの冒険」三部作を読んだ後だと「全体にファンタジー度や謎が足りない!」というのが正直な感想です。
主人公と海賊少女ジョリーは「ミズスマシ」という、水の上を歩ける特殊能力を持っており、そのため他の海賊に狙われ家族を殺されたりなど序盤はテンプレではあるものの「ミズスマシ」の能力、あと謎の多い「死霊の売人」の存在などの設定のためぐいぐい引き込まれていきます。

身体能力はジョリーのほうが上ですがミズスマシの扱う「貝の魔法」は主人公のほうが威力が強く、そんなこんなでお互い協力しあって海底を冒険するのですが、そこでミズスマシそのものの秘密などが明らかにされていくためこのプロットだと単に「親の仇打ち」しか見えてこないのが残念です(もちろん三部作のためボリューム違うじゃん、と言われてしまうとそれまでなのですが、ミズスマシの能力、あと敵である「大渦潮」に絞って尺を圧縮しても充分に面白いあらすじです)。

序盤ありきたりでも結末が見事だった電撃大賞受賞作に「リングテイル 勝ち戦の君」がありますが、なせ「勝ち戦の君」と呼ばれる存在が常勝の能力を持っているのか、などがそれまでの世界観で伏線が張られていて(続編の「凶運のチャズ」は引っ張り過ぎてつまらなかったんで打ち切られたんですけどね……)、スレ主さんはむしろそっち方面の作風なんじゃないのかと思っていただけに妙に期待を外されてしまった感が……。

「実は○○だった」というホラー色の強い短編の描き手というと山岸亮子を思い浮かべてしまうのですが、同作者の長編の「日出処の天子」ではそれまでの聖徳太子像がぶっとんで掻き消される恐ろしさを持った人物として描かれています。「厩戸皇子こわいマジ怖い」と震えながら読んでいました……

そういうわけで、スレ主さんの質問の意図とだいぶ違うと思われるかもしれませんが「序盤よりも全体のストーリーラインやオチのほうの弱さが気になる」というのが正直な感想です。「ショッキングな展開」よりも「先を読みたくなる展開」かどうかに重点を置いたほうがいいんじゃないのかなぁ……。

ということで、変な方向の期待を勝手に押しつけてしまって申し訳ありませんが、テンプレを外したいのであれば既存の「海賊もの」にひととおり目を通したうえでそれと被らないように工夫する、というほうがいいのではと思いました。

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