飯モノは簡単に書けるかどうかは分かりませんが、狙い方が重要なんじゃないかなと。
『異世界食堂』と『孤独のグルメ』を例に考えると、扱われている料理がすべて庶民的で読者がイメージしやすいという点がきわめて大きいように思います。
『異世界食堂』ならメンチカツとかオムライスとかエビフライとか。現代の日本を舞台にした作品だったら、よほど巧く書かないとそういう料理で読者の興味は引きにくいと思うのですが、異世界のキャラの視点を使うことによって新鮮に感じさせているのがミソなのではないでしょうか?
ある意味エンタメでは「ありふれているのに新鮮」というのは最強です。読者の共感を得やすいからです。
高級料理。高級ではなくても素材や料理法にこだわった「至高の料理」。そういうのは多くの読者にとってピンと来にくいですよね? 感心はしても共感は得にくいのではないかと。
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そういうこととはまったく違う例として。
先の書き込みであげた『美味しんぼ』は凝りに凝った至高の料理派。しかしあれは飯テロで勝負しているのではなく、作者の問題意識も含めて料理をストーリーにからめるのが上手いのだと思います。そういう意味で、少なくともあれは誰にでも書けるという作品ではなく、むしろ難易度は高めなんじゃないかと。