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タイトル:読み手になると書かれていないことが気になるから書き手として全部書こうとすると際限なさ過ぎて困っていますの返信 投稿者: サタン

いやいやいや。そりゃ無理だよw
というか、逆効果にしかならないので考え方を変えたほうがいいと思う。

まず無理な理由は、体験して身を持って知ったとは思うけど、書ききれないため。
例えば画用紙に色を塗って、見てる人には「黒!」と認識してもらいたいのだけど、スレ主さんは「でも絵の具にはいろんな色があるから、それを知ってほしい」と言って、様々な「色」を散りばめてしまう。
これでは「黒」とは認識されない。
「黒」と認識されつつ「いろんな色」を表現しようと思ったら、人の視界に収まりきらないサイズの画用紙が必要になる。
中央に「黒」を置いてそこだけ見せて、次第に引いて全体像を見ると「いろんな色があるな」と認識できる。と、これは表現の一つなので、小さいサイズでもやりようはあるけども。
やりようはあるから、小説でもスレ主さんが言うような「テーマから外れた事を読者に伝えつつ、しっかり物語も進める」という事は出来なくはないけど、でも、そうするとページ数の問題からよりシビアな話題の取捨選択が求められてスレ主さんが言われる「一切書かれない欠陥」が現れることになります。
それは欠陥ではないのだけど、スレ主さんは欠陥だと感じているので、この両立は不可能だ、無理だ、ということですね。

次に逆効果になるってのはどういう意味かというと、
そもそも物語には一つの話題があって、それを語るのが基本なわけです。
そこに複数の話題を散りばめることはよくありますが、これは構造的に言うとサブプロットの話になるので、別の話題、別の話になるわけです。うまく混ぜてるけどね。
そこにきてスレ主さんが言っているのはつまり「メインテーマとは別の話題を続けたい」と言ってるようなものなので、
例えばラスト・オブ・アスは1しかストーリーを知らないけど、エリーが立ち寄った集落でエリーたちは「迷惑がかかるからすぐに出ていく」と言うんだけど、作者は「集落のことを書きたい」ので、エリーたちはいつまでたっても集落を出ていかず、読者はエリーの話を読みたいのに集落に来てからずっとよくわからん村民Aの話をしてる。ということになる。
作者は満足かもしれないけど、読者の気持ちを代弁すると「さっさとメインストーリー進めてくれよ」となることは間違いない。
なので、逆効果。

最後に、考え方を変えたほうがいいというのは、別にスレ主さんがしたい事の趣旨を否定しているわけではなく、別方向からそれを成功させましょうよ、という事。
上に少し書いたけど、
そもそも物語は「一つの話題」に集中して書いて、それに直接関係ないことはできる限り省略したほうが良い。
つまり、スレ主さんが言う「欠陥」ですね。これは意図的にそうしたほうが良い。
なぜかと言うと、読者はいろんな情報が入ってくると混乱して「いま何の話してんの?」とわけわからなくなるためです。
すっきりと話題の取捨選択をしてシンプルに「コレを話してます」とわかったほうが、わかりやすい。
だから、「一つの話題」に集中して関係のない事は省略して読者に伝えやすくする。
ゲームでもシナリオを進める「メインクエスト」と、攻略しなくてもシナリオを進められる「サブクエスト」ってあるでしょ?
これは言い方を変えると「サイドストーリー」ってことで、メインシナリオには関係ない切り捨てられた部分(言い方悪いけど)。
読まなくてもメインに支障がない部分は切り離したほうがシンプルになる。

と、物語の基本的な考え方について書いたあとで、でもこれは「一つの話題」を語るタイプの物語の場合、という前提がつきます。
複数の話題を同時に展開させる物語というのもありますし、メインではなくサブに重点を置く物語もあります。

物語は基本的に、物語一つにつき話題は一つ、と私は考えています。
でも、だったら複数の物語を同時進行させりゃ良いだけで、その答えの一つが「デュラララ」などの群像劇ですね。
群像劇であれば、作者が書きたいストーリーの側面の数だけ主人公を用意すればいいだけ。
主人公Aのストーリーを書くうえで関係ない省略した要素を、主人公Bのストーリーで補完してやるって書き方もできる。
ただ、それでも「全て」を書くことは難しく、シビアな取捨選択が求められます。

前述した「画用紙に絵の具」の例で言うと、円状にいろんな色の絵の具を並べて、その絵の具をそれぞれ中央に伸ばして円の中心には大きく真っ黒な色が浮かび上がる(全ての色を合わせると黒になる)。という図にすると、小さい画用紙でも「いろんな色」でありながら「黒!」と認識される絵が作れる。
こういう、「全てを書こう!」とするのではなく発想の転換、考え方を変えてみましょう、という話です。

>社会制度、身分、階級、生活の質とか?
なのでハッキリ言うと、それがストーリーに関係ない事であるならそれらはそもそも書く必要がないものなんですが、スレ主さんは書きたいとのことなので、
であれば「それが書けるキャラクター」を用意してしまえば良い。
想定されてる内容がよくわからないので、ここはベタに王道異世界ファンタジーを想定して答えると、「社会制度・身分・階級」これらを同時に表現できるキャラは、やはり「貴族」なので、貴族を出して「社会制度を論ずる場で、相手の身分や階級について言及する」という場面を作りゃいい。
そして「貴族の生活の質」は書けるので、今度はその対比として「一般的な家庭の生活の質」を書くため、まあ宿屋の娘と仲良くなるとかって展開させる。
そうすりゃ「その世界観の生活の質」はなんとなく把握できる。

書きたいことが際限なくたくさんある場合は、このようにいくつかの要素をまとめてしまって、「同時に書ける」というのを見つるのが良いのだけど、
これはあまり無茶してやりすぎると単に「設定を詰め込んでる」というように見えてしまうので、やりすぎには注意です。

でも、物語の設計段階から、そもそも「主人公一人、何かを目的にしてそれを達成する物語」という考え方は「一つの話題に集中する」という考え方なので、そこへ複数の話題を投入すりゃ書ききれないのは当然なわけで、もっとコンパクトに収まるよう考え方を変えれば糸口が見つかるかもしれないと思う。
えーと、つまり、まとめると。
「村人の生活の様子」とか物語の側面を書こうとするのではなく、もともと複数の物語があって、それを一つにまとめるにはどうしたら、と考えたほうが良いのではないかと思う。

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