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タイトル:表現力についての返信 投稿者: あまくさ

世界観は一気に読者に伝えようとせず、ストーリーを追いながら少しずつ盛り込んでいく方がいいと思います。特に小説の場合はアニメや漫画のように絵で表現することが出来ないので、情景などを一瞬でイメージさせるのは無理なんですね。だから、ポイントを押さえることが必要です。
あと手順ね。

まず。
ファンタジーだとしたら、西洋風なのか、和風なのか、中華風なのか、現代日本をベースにどこかが歪んだダーク・ファンタジーなのか。そういった基本的なカラーだけは最初から明確に打ち出しておきたいですよね?
こういうのも直接的に書くより、主人公の行動を軸にして日常的なちょっとした小道具で自然にイメージしてもらうのがいいです。
例えば飲み物を呑むにも、湯呑と書けば日本風、グラスと書けば西洋風。建物なら赤レンガの壁と書けば西洋風。これだけで分かります。
ドラコンさんの言われている食べ物も有力だと思います。食文化とか大袈裟に考えなくていいです。ピクルスとか書くだけでかなり雰囲気が伝わります。
あと名前。ルートヴィッヒなら西洋、陳舜臣なら中国。
こういうのを説明はしないで、作品冒頭の3行以内くらいに必ず一つは入れるのがコツかと。3行で大雑把なイメージを伝え、書籍だったら2~3ページくらいでイメージを具体化していきます。これも可能なら説明は極力排し、小道具や会話などで表現するように心がけるといいです。

まあ、あまり描写だけだとそれはそれでふわふわしてしまうこともあるので、要所要所でちょっとだけ説明文を入れるとイメージが定着します。ただし、これも長い説明文にはしないで、なるべく1行程度で端的に。あくまで描写が本体で、説明は補足と考えてください。

ファンタジーの世界観は単なる舞台だけではなく、ストーリーの終盤に明かされる大きな秘密が隠されている場合もあります。そういうものはプロット全体を通じて、段階的に明かしていくのがセオリーでしょう。
難しいようですが、そういう目標があれば序盤の描写のいくつかは伏線になるので、むしろどういうポイントを押さえればいいかという方針が立てやすいです。

   *   *   *

描写というのは闇雲にやるものではなく、最初にストーリーをしっかり考え、自分が何をやりたいのかを明確につかんでいれば、一つ一つの場面で何を書けばいいかは自ずと見えてくるものなんですね。
「上手く書く」のではなく、「必要なことを書く」。これが基本かと。
ただ慣れないうちは、このシーンでこういうこと伝えたいと何となく思っても、なかなか文章が思いつかないだろうと思います。
そこはこうすれば万全という便利なコツがあるわけではなく、ひたすら練習して身につけるしかありません。練習というのは小説を読みまくり、小説を書きまくるということです。

一応、私が個人的に意識している描写の要領みたいなのを、ちょっとだけ書くと。

例えばですね。

暑い季節に樹木に覆われた丘の小道を歩いて、ふもとの村に向かっているとします。

◎ふと足をとめ、木漏れ日を見上げて額の汗をぬぐった。

と書けば、それまで歩いていたことも、樹木の多い風景も、暑い季節なのも自然に分かりますよね?

◎梢の切れ間に青い空がみえる。ふたたび曲がりくねった小道に歩を進めた。

◎やがて木々に閉ざされた行く手の視界が急にひらけ、眼下になだらかな野と民家の赤い屋根が点々と見わたせた。

◎村の彼方には、青くかすんだ山並みがつづいている。~は両手を大きくひろげ、一つ深呼吸した。そういえば、こんなふうに肺一杯に空気を吸い込む感覚は、ずいぶん久しぶりのような気がする。

てな感じかな。まあ、お恥ずかしいですが。
気を付けていることは、

1)描写といっても凝った比喩などは使わない。

2)主人公の行動を通して書く。

3)情景描写、体感描写、心理描写を組み合わせる。

例文として書いてみた文章はラノベとしてまだ少し硬いかもしれませんが、ファンタジーの場合は多少の余韻はほしいので、このくらいの感じに書くのが好みです。ただし、一つ一つの単語は平凡なものばかりのはずです。

また読者は主人公に寄り添うというか、主人公の目で情景を見て、主人公の感じたことを疑似体験するように書けば、実感しやすいと思うんですね。なので、ストーリーはできるだけ主人公の行動を軸に進めるようにします。

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