ドラコンです。作成から2カ月以上経っているスレッドを今さら上げるべきではないのかもしれませんが、私が紹介した参考文献で追記すべきことがありますので、投稿します。
『英国流 旅の作法 グランド・ツアーから庭園文化まで』(中島俊郎、講談社学術文庫)
この本は、近代以前のヨーロッパの旅行手続き(パスポート、出入国審査)、旅費・両替、観光、乗り物、携行品を調べるのが目的なら、ほとんど役に立ちません。それらが目的なら、『グランドツアー 英国貴族の放蕩修学旅行』(本城靖久、中公文庫)のほうが断然詳しいし、面白いです。イギリス貴族の若様の、旅の模様が生き生きと描かれていますね。新品の入手は無理でも、古本屋や図書館で探してでも、一読の価値がある一冊です。
『英国流 旅の作法』のほうは、イギリス人が「旅から見た夢」「旅に見たかった夢」という精神面を中心に描いています。全編通してもですが、特に前半は、イギリス文学・西洋美術の話が中心でした。そのため、それらに疎い私では、何が書かれているのか、よく分からなかったですね。それに、重要キーワードの説明も悪く、半ページ~1ページ無改行で読みづらかったです。