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タイトル:恋愛描写等の「丁寧さ」とは何かの返信 投稿者: サタン

身も蓋もない答えで言うと、一個の物語の中でどれだけ「尺」を取ってるか、が丁寧さかなと思う。

描写というのは表現なので、美しい文章や詩的な表現など文章表現も描写の一つですが、例えば「不良が雨でずぶ濡れの子猫を拾う」という場面は「不良の優しさ」を描写しているシーンになりますよね。
例えば勇者が魔王を倒して世界が平和になるといった物語は「悪は滅びる、正義が正しい」といった事を描写していますよね。
不良の例えは「文章」ではなく「シーン」で描写していて、勇者が魔王を倒す例えも「文章」ではなく「物語」それ全体で描写しています。

だから、この例で言えば「勇者が魔王を倒す」の例が一番丁寧な描写をすることになると言えますね。
たぶんこれだとわかりにくいと思うので、この魔王を倒す物語の中で「悪とは何か」といったテーマを持っていたとしたら、勇者が魔王を倒す過程で「悪とは」を語っていくことになるでしょう。
いろんなパターンの「悪とは」を書いて書いて、最終的に魔王を倒して勇者は答えを出し、物語が完成し、そのとき描写も終える。それが丁寧って事だと思う。
だから、「尺」という答え。

多角的とか出来事の蓄積とか、私個人の見解では、それは結果論で、そりゃ尺を長く取ればワンパターンじゃ飽きるからあの手この手で変化をつけるかなと。

恋愛で言うと、例えば「主人公とヒロインが恋をする」という物語の序盤で「ヒロインが主人公に興味を持つ」という場面があったとして。
端的に表現すれば何か切っ掛けがあって「ヒロインは主人公に興味を持った」と書けばそれで場面は書ける。
でもこれを丁寧にやるなら、その場面それ自体で「ヒロインが主人公に興味を持つ」という表現をするわけです。
例えば、
「ヒロインは銀細工を作るのが好きだけど親しい人にしか作らない」
「主人公は銀細工が気に入って欲しがるけど、もらえない」
「あるときプロの銀細工職人がヒロインのシルバーアクセサリを酷評し、主人公がガチキレする」
「そのシルバーアクセサリは母親が作ってくれたもので、ただのアクセサリじゃなかった。銀細工は想いが籠もったものだから、親しい人にしか作らない」
「しばらくして、主人公は高校卒業のお祝いにヒロインからプレゼントをもらう。箱の中にはシルバーのブレスレットが入っていた」
こんな感じ。
まあ、例の下手さは即興だしってことで目をつぶって。
で、これは序盤の展開で、長い尺を使って丁寧に「ヒロインが主人公に興味を持つ」という流れを表現してて、同じように「主人公とヒロインが恋をする」まで場面そのものでテーマを描写していく。
そしたら、恋愛を丁寧に描写している物語、となると思う。

だから尺だと言ったけど長く書けばいいわけじゃなくて、結果的に尺を取るだけの話。尺って答えも結果論かね。
コツは……なんだろ。「例え」かな。
今回の例では「興味」を親愛ととらえて、それを「銀細工のアクセサリ」に例えた。
ヒロインから銀細工を貰える事が、ヒロインの親愛を勝ち取ったと言える流れになっていると思う。
この「例え」が上手いと、割と何でも書ける。
かなりベタで使い古されてる例を出すと、戦闘モノで「主人公の成長」なんかがわかりやすいかなと思う。
「敵ORライバルに負ける」「修行する」「敵ORライバルに打ち勝つ」という展開あるでしょ。
最初に敵に負けることで、「敵を倒す」という事が「成長」の証明になってる流れなわけです。
ほんでヒロインの銀細工の話に戻ると、こうした「例え」を上手く使うと、つまり「ヒロインから銀細工をもらう過程」がそのまま「親愛を勝ち取る過程」になるので、「恋愛」そのものを書く必要がなくて「ヒロインと銀細工、そしてそれを貰うまでの過程」を丁寧に書けばいいだけ、って事になります。
もちろん実際には恋愛的な展開を盛り込んでいくわけですが、そういうのは味付け程度にしないと恋愛恋愛でコッテリしちゃうので、「物語(小話)」+「恋愛要素」という形にして形成してる。
例えば学園モノの恋愛を想定してて銀細工など扱えそうな要素がないという場合は人間関係・部活・勉学の悩みを扱って同じことをする場合が多いかなと思う。

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