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タイトル:構成の評価が上がらないの返信 投稿者: あまくさ

>応募している、作品のパターンとしては、以下の通りです。
>回想なし、
>視点変更なし。(一方そのころ、主人公ではない人の動きは・・・という場面はなし)
>現在進行形で、時系列順に物語が進む。

>ではだめなんでしょうか。

これは人によって見解が分かれますね。
個人的な考えとしての結論を先に書くと、

◎時系列移動は安易に行わないことを基本として心がけつつ、効果を計算して数ヶ所は必ず入れる。

これが最適解じゃないかと思っています。

で、以下は説明です。

時系列を乱すのはタブー。これは、よく聞きますよね。けして妄言ではなく、理由は理解できます。

まず、マンガや映画と小説の違い。視覚的に表現できる映画と違い、小説は文章だけなので読者は頭の中で情景をイメージしなければなりません。シーンが変わるとそれを再構成しなければならないので、小説を読みなれている人は意識はしないでしょうが、実はけっこう脳に負担がかかっているはずなんですね。なので時間の流れを分断するような唐突なシーン変更は少なめにした方がいいのです。

それと、時系列移動や回想は、本編ストーリーの流れを中断させます。ですから、あまり意味のないところに挿入すると、本編の流れが気に入って没頭していた読者を失望させたり苛立たせたりしかねない、というデメリットもあります。
「そんなのはいいから、話を先に進めろよ!」というやつです。

以上のことはデメリットを理解して効果を計算しながら使う分にはOKということになりますが、それが初心者には難しいのと、アマチュアの中には「効果を計算しない無意味な時系列移動や回想」を闇雲に多用したがる人がいる、ということがあります。そのためアマチュアの作品を大量に読みなれている下読みさんや選考委員の方に反射的に「また、こういうのが来たか」と思われてしまい、時系列移動をしているだけで無条件に「小説の書き方を知らないドヘタ」認定をされてしまう傾向があるみたいです。

しかし。

時系列移動や回想を完全に排除してしまうのも考え物かと。
時系列通りに書かれたストーリーは安定して読みやすいでしょうが、平坦すぎて平凡な印象を与えやすいです。

例えば、1・2・3・4・5・6~というストーリー(時系列通り)があったとしますね。しかし作者がいくつか用意しているウリの一つが3にあり、1と2が平凡だったら、思い切って1・2を省略して3から始めるというのはアリだと思います。そして1・2の内容は4以降のどこかに本編の流れを阻害しない配慮をしながら何かの形で挿入します。
こういうメリハリ感覚を磨くことも大切かなと。

効果、メリット、デメリット。そういうことをきっちり計算しつつ、上記のようなことを考えるのが「構成」ではないでしょうか?

   *   *   *

余談。というか言い訳。
最近の他のスレに、小説の書き出しを示して意見を求めてくる相談があったんですね。
その例文を1・2・3として、1・2が大人しく3がわりと緊迫感があるという内容でした。
で、他の方の意見では3を冒頭に変えて1・2を回想にしたらというのが多かったんです。
一般論としてその方法は有力だと思うのですが、その例文に限っては2・3の組み合わせに作者さんの狙いがあるようだったので、そこは維持した方がいいんじゃないかという意見を書きました。

私の両方の書き込みを読んだ人がいたら「言ってることが違うじゃないか!」と怒られそうな気がしたので、蛇足ながら。

   *   *   *

三幕構成について。
一番盛上げるべきところは第2幕から第3幕に移行するあたりです。これは最後の4分の1くらいに相当するところで真ん中ではありません。

三幕構成の真ん中はサタンさんがすでに説明されていますが「ミッドポイント」というやつです。これは物語の転換点を意味し、きわめて重要とされていますが、「重要イコール盛り上がり」ではないことに注意してください。

簡単に説明すると、主人公はストーリーを通して何かの目的を目指して障害を乗り越えようとします。しかし目的も障害もはっきりとつかめない状態で試行錯誤するのがミッドポイントの前、目的や障害がはっきりして、それを打ち破るために行動し始めるのがミッドポイント以降です。
前半では勝利条件がわからず、それを探すのがミッドポイントまで。勝利条件を見つけて勝利や成功に向かい動き始めるのがミッドポイント以降とも言い換えられます。
しかし主人公が勝利条件を見つけて目的に向かい大きく前進することは、敵のさらに強力な反撃を引き起こします。それによって主人公はかえって最大のピンチに陥り、その難関を克服するのが第2幕の終わりあたり。第3幕は障害を克服したことによって最大の力を得た主人公がラスボスと戦うという流れになります。
山あり谷ありのストーリーの流れとしては、ここを一番盛上げることになります。

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